南米2012年の段階では南米のクラウドファンディングの資金調達額は80万ドル程度でしたが、3年後の2015年のデータによると8,574万ドルと100倍以上に成長していることが分かります。とりわけアルゼンチンでは”南米最大”のクラウドファンディングサイト「idea.me」の運営が行なわれており、創造性に富んだアート系のプロジェクトが多く実行されています。idea.meは創設からたった1年半の間で180以上のプロジェクトを施行しており、現在はおよそ25,000人のサイト利用者、5,000人の出資者が募るほどの人気ぶりを誇っています。また、短期的なリターンを求める投資が主流のブラジルは、今後エクイティクラウドファンディングの活躍の場を広げていく好例国のひとつとして、クラウドファンディング市場の成長が期待されています。中国近年、中国のクラウドファンディング市場は飛躍的に拡大しており、年々倍増する勢いで成長しています。2011年に「DemoHour」のリリースをきっかけに始まった中国のクラウドファンディングは「Kickstarter」のように様々な国からの支持が高く、他にもファッションを専門に扱っている「ZAOZAO」や、中国初のオンライン投資型サイト「AngelCrunch」など、あらゆるサイトが多くのプロジェクトを成功させています。2013年の時点で5,200万ドルだった年間資金調達額は、2014年に1億4,800万ドル、2015年に3億3,000万ドル、2016年に6億6,000万ドル、2017年に13億2,000万ドルと年々規模を拡大し続けており、向こう10年以内に500億ドルを越すのではないかと予測されるほど勢いを増しています。東南アジア2013年にシンガポールにて設立されたクラウドファンディングアジアは、2014年8月に第一回目のサミットを開催し、カンボジアの国務大臣、タイの証券取引所事務総長などそうそうたるメンバーが名を連ね、アジア諸国から300人以上が参加しました。近年では東南アジアにおけるクラウドファンディング事業も右肩上がりで成長しており、途上国でありながら規模を拡大しています。なかでも「FudedHere」は2015年に設立されたシンガポール初の融資型クラウドファンディングプラットフォームで、新興国におけるクラウドファンディングサービスの代表的存在です。中小企業の資金調達の手段としてクラウドファンディングを提案している企業でもあり、オンライン上のプラットフォームを通じてシンガポール・中国・インドネシア・ベトナム・フィリピンのスタートアップにおいて、創業から間もない企業に資金を供給するエンジェル投資家からの資金調達を実施しています。ドバイドバイ最大のクラウドファンディングサイト「Eureeca」は、国際的なクラウドファンディングキャンペーンを実施しており、UAEのビジネスや投資家にとって良い機会を提供しています。設立から5年で500件以上のプロジェクトを実行し、世界各国のさまざまな人々から支援を受けているEureecaは、今後も展望に期待が寄せられるばかりです。ドバイをはじめ、中東地域ではAR/VR分野におけるクラウドファンディング流通金額推移が、2014年から2015年にかけて1,000万円以上の伸びを見せています。こうしたAR/VR分野をはじめ、将来的にはさらに市場規模の拡大していくと予想されています。また、Eureccaの投資家は25%が女性であり、今後は女性も活用しやすいプラットフォームとして話題になることでしょう。まとめいかがでしたか。上記のようなクラウドファンディング新興国は近年増えており、クラウドファンディングを通じて経済を活性化させる動きも出てきています。しかし、そういった国々は日本をはじめとした先進国には未だ勝らず、やはりアメリカやイギリスなどには圧倒的な差をつけられてしまっているのが現状です。将来的にそうした新興国が台頭する時代は来るのでしょうか。みなさんもぜひ注目してみてください。