提供者も調達者も、どちらも個人だった場合、調達者には「贈与税」が課されます。贈与税とは、相手からの贈与によって受け取った財産に課される税のことです。ただし、この贈与税は資金調達額が110万円を越した時のみに課され、110万円を下回れば非課税対象と見なされます。また、提供者が個人の場合は、税務上の処理を行う必要は特にないため、寄付金の控除や課税は一切ありません。
② 個人から法人
提供者が個人、調達者が法人の場合には、調達者には「法人税」が課されます。提供者は原則的に①と同様、とりわけ何もありませんが、所得税法上の特定寄附金に該当するものであれば、確定申告を行うと税金が安くなる可能性があります。
③ 法人から個人
提供者が法人、調達者が個人の場合には、提供者には「法人税」が、調達者には「所得税」が課されます。ただし、購入型クラウドファンディングでも紹介した通り、所得税は年間50万円を下回れば、課税の対象にはなりません。
④ 法人から法人
提供者も調達者も、どちらも法人だった場合、双方ともに「法人税」が課されます。
最後に、投資型クラウドファンディングについて見てみましょう。
投資型は、他の購入型/寄付型クラウドファンディングとは異なり、金銭的リターンを含んでいます。特に融資型とファンド型では、調達者が個人の場合は「所得税」、法人の場合には「法人税」が課されます。これら金銭的リターンが伴うものは、給与所得および退職所得を除いた所得を20万円以上もらっている場合のみ、確定申告を行わなければなりません。
いかがでしたか。今回は『クラウドファンディングに確定申告は必要? 適用される税金の種類とは』について考察しました。
このようにクラウドファンディングの種類によって、また資金の調達者/提供者の立場によって、課せられる税金のタイプはさまざま存在します。プロジェクトを実行する起案者でも、プロジェクトを応援する支援者でも、クラウドファンディングに着手する際には、きちんと税法上のことを考慮しながら取り掛かってみてください。