日本まず、日本国内のクラウドファンディングの成功率について見てみましょう。2011年からクラウドファンディング事業がスタートした日本は、毎年市場規模を拡大し続けており、2012年には71億円だったのが、2016年には477億円と、凄まじい急成長を遂げています。そんな日本のクラウドファンディングの全体的な成功率は、およそ50%であり、単純に考えて一つのプロジェクトが成功していると同時に、一つのプロジェクトが失敗に陥っているということになります。日本国内初のクラウドファンディング・プラットフォーム「Readyfor」の代表・米良はるか氏によると、Readyforの成功率は65%-70%だそうです。また、国内最大と言われている「CAMPFIRE」や、飲食に力を注いでいる「Makuake」は20-30%と、あまり高い成功率は誇っていません。しかし一方で、後発ではあるが成長率の高いクラウドファンディング「ENjiNE」や「Kibidango」を通じて行われたプロジェクトのうち、80%以上が成功しており、特にチケット購入型クラウドファンディング「ENjiNE」は国内クラウドファンディングの中で最高水準の成功率を誇っています。アメリカ日本と違って、アメリカのクラウドファンディングは世界的にフィーチャーされており、色んな国々から出資者や起案者が大勢集まっています。特に世界トップとも言われている「Kickstarter」や「Indiegogo」は頭ひとつ抜けており、日本円にして10億円以上の資金調達に成功したプロジェクトもあるのです。では、そんな「Kickstarter」や「Indiegogo」のプロジェクト成功率はどれくらいなのでしょうか。世界最大の統計ポータル・Statistaよると、2017年4月の「Kickstarter」の全体成功率は35.8%であり、また「Indiegogo」の成功率は17%-18%と、およそ半分近くの数値という結果になりました。プロジェクトの規模や調達額が大きい反面、成功率はあまり高くないということが分かります。イギリスでは、最後にイギリスのクラウドファンディングにおける成功率について見てみましょう。オランダやポルトガルが積極的な姿勢を見せている昨今、やはりヨーロッパの中で一番のクラウドファンディング国といえばイギリスです。アメリカを越えるほどではありませんが、2013年のデータによると、世界のクラウドファンディング市場のうち、34%はイギリスが占めていました。そんなクラウドファンディングに長けているイギリスの平均成功率は55%であり、先述の日本やアメリカと比べると高めです。特にイギリスだけでなく、他国でも有名な「JustGiving」や「SyndicateRoom」、「VentureFounders」などは、平均70%-80%ほどの成功率を収めています。まとめさて、今回は海外と日本のクラウドファンディングの成功率について比較してみました。「成功率」という部分だけに着目して考えると、世界的に人気の高いアメリカのKickstarterやIndiegogoよりも、日本のクラウドファンディングの方が良い気がします。しかし、アメリカのようにひとつひとつのプロジェクト規模が大きいものであれば、その分調達できる資金額も多くなり、成功した時の報酬もケタが違うほど莫大なものとなります。つまり、成功率は低いが成功した時の達成率は高い「ハイリスクハイリターン」がアメリカのクラウドファンディングの特徴です。今後、国内外問わずクラウドファンディングに着手する方は、自分が手をつけるサイトの特色をきちんと理解した上で実践してみてください。<参考>・日本最大級のクラウドファンディング「Readyfor」–成功率70%の秘密に迫る・Percentage of successfully funded Kickstarter projects as of April 2017・Kickstarter vs Indiegogo: which one to choose?・Facts and Figures about equity crowdfunding campaigns