出典:キャズム理論とは | イノベーター理論とキャズムを超える戦略を解説|ボクシルマガジン
イノベーターは商品を最も早く購入していますが、その購入は商品の目新しさによるものであり、商品そのもののベネフィットによるものとは言えません。
しかし、アーリーアダプターは商品のベネフィットに着目して購入を決めます。さらに、 この層はオピニオンリーダーと呼ばれるほど他者への影響力も大きいため、口コミにより商品普及を手助けしてくれることが期待されます。
よって、イノベーター理論において商品の普及の鍵を握っているのはアーリーアダプターへの普及と言われており、イノベーターとアーリーアダプターを合わせた市場の構成比16%を用いて「普及率16%の論理」として提唱されています。
アーリーアダプターが商品普及の鍵を握るという理論に対し、アメリカのマーケティング・コンサルタントのジェフリー・ムーアは、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に大きな溝(キャズム)があると指摘しました。
イノベーターとアーリーアダプターを合わせた初期市場は商品の目新しさを望む層であるのに対し、アーリーマジョリティやレイトマジョリティで構成されるメインストリーム市場は商品への安心感を求めていることから、この2つの市場の間には価値観の相違が見られるのです。
よって、アーリーアダプターに普及したからと言って、簡単にアーリーマジョリティへ普及するとは限らないのです。この理論は「キャズム理論」と呼ばれています。
それでは、このキャズムを乗り越えるためにはどうすれば良いのでしょうか。
前述の通り、アーリーマジョリティは商品に安心感を求めています。よって、アーリーアダプターへの普及を考える際に、その先のアーリーマジョリティへの普及も見据えなければなりません。というのも、一部のアーリーアダプターしか商品を購入していないということは、安心感を求めるアーリーマジョリティの購入にはつながらないからです。
例えば、インフルエンサーを用いてアーリーマジョリティが商品に安心感を抱くよう促したり、アーリーアダプターに良い口コミを書いてもらえるよう商品の良さを訴求したり、アーリーアダプター寄りのアーリーマジョリティに商品を購入してもらい事例を作ったり、ということが施策として挙げられるでしょう。
このように、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの価値観の違いを理解した上でマーケティングを考えることが必要です。
イノベーター理論を活用することで、今商品を主に購入している顧客層はどの層なのか、どのような特徴を持っているのか、について把握することができます。
自社の商品をイノベーター理論やキャズム理論に当てはめて、次行うべき施策について考えてみてはいかがでしょうか。
マーケティング用語集 イノベーター理論|J-marketing.net produced by JMR生活総合研究所
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