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コンテンツマーケティングとは?特徴やメリットを紹介します

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現在、世界的に関心が寄せられているコンテンツマーケティング。アメリカでは86%の企業が何かしらのコンテンツマーケティングを行っているというデータがあり[1]、日本でも2014年頃から注目を集めています[2]。

では、コンテンツマーケティングとは一体どのようなものなのでしょうか?早速見ていきましょう。

この記事はBatteryからの引用です。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティング(英: Content Marketing)は簡単に言うと、”価値のあるコンテンツでリードと呼ばれる見込み客を集めファン化し、問い合わせや商品購入など利益につながる行動を促すマーケティング手法”のことです。

アメリカでは「コンテンツ・マーケティング・インスティチュート」(CMI)という団体が設立されており、代表であるJoe Pulizzi氏は、2001年頃からこの考え方を提唱しています[3]。また、CMIでは、コンテンツマーケティングのことを以下のように定義しています。

Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action[4].

コンテンツマーケティングとは、関連性が高く価値のある一貫したコンテンツの作成と配信にフォーカスした戦略的なマーケティング手法であり、見込み客として明確に定義されたユーザーを引き寄せて、最終的に高い収益性につながる行動を促すことを目的としています。

CMIの定義によれば、コンテンツマーケティングは特定のメディアおよびフォーマットに縛られた手法ではなく、関連性が高く価値のある一貫したコンテンツであれば、どのような種類でも良いということです。自社の商品やサービスをいきなりアピールして売り込むのではなく、リードの購買意欲を高め、最終的に購買につなげることを目指しています。

コンテンツマーケティングの歴史

アメリカでは2001年頃から、日本では2014年頃から注目されているコンテンツマーケティングですが、実は1895年にアメリカで刊行された雑誌『The Furrow』が、今日のコンテンツマーケティングの原点であると言われています[5]。

『The Furrow』は、農機具メーカーであるDeere & CompanyのJohn Deereというブランドが発行した雑誌であり、世界40カ国で刊行され続けている農業雑誌です。自社製品のカタログ誌ではなく、農家の人たちにとって役立つ農業情報を提供しています。一方的に農業グッズを進めるのではなく、あくまで農家の人たちにとって役立つ情報を提供することでメーカーとしての信頼を勝ち取っており、今日におけるコンテンツマーケティングのパイオニア的存在として知られています。

それから5年が経った1900年、フランスのタイヤメーカーである『ミシュラン』が、ドライバーが快適にドライブを楽しめる情報をまとめたガイドブック『ミシュランガイド』を刊行。当初は、車のメンテナンスや宿泊施設の紹介、旅行のヒントなどを主に提供していましたが、その後、質の高い料理を提供するレストラン・ホテルに星をつけるシステムを導入し、メーカーとして世界的に知られるようになりました。「ミシュランガイドに掲載されている料理を食べたい」というユーザーが、車で旅行に行くことを狙いとし、その結果ミシュランのメイン商品であるタイヤが売れる仕組みを見事形成しました[6]。

コンテンツマーケティングの特徴

Web広告やマス広告と異なり、コンテンツマーケティングは一度発信したコンテンツがインターネット上に残り続けるという特徴があります。そのコンテンツがユーザーにとって有益なものであれば、永久的にユーザーを引きつけることができ、サイトそのものの評価を引き上げることにもつながります。ロングランでユーザーからのアクセスを集めることができるというのは、コンテンツマーケティングならではの特徴です。

また、コンテンツマーケティングでは、発信する商品やサービスを、ユーザー側から見つけてもらうことができます。自社サイトへの集客手段として、コンテンツマーケティングが機能し、リードはネット上で吟味して問い合わせるため、自ら売り込むプッシュ型営業のスタイルよりも案件の確度が高い傾向にあります。

コンテンツマーケティングのメリット

抜群なコストパフォーマンス

コンテンツマーケティングは、Web広告と比較して低予算で作成することができます。Web広告は最低でも数十万円かかりますが、たとえばブログで発信する場合、0円でスタートすることが可能です。SEO対策を外注するなどプラスの予算がかかることもありますが、始めるだけならタダなので、コンテンツ制作費を抑えながら発信することができます。費用対効果の高い施策を打ち出すことができるため、コストパフォーマンスは抜群です。

ターゲットにきちんと提供できる

Web広告は設定したターゲットでない人にも表示される可能性が高いですが、コンテンツマーケティングの場合、あらかじめ定めたターゲットを絞って運用することができます。運用スタート時にペルソナを設定し、そのペルソナが検索するキーワードを選定。そのキーワードに沿って魅力的なコンテンツを更新していくと、制作したコンテンツはWeb広告に比べ、高い確率でターゲットに提供することができます。

幅広い地域で活用できる

コンテンツマーケティングでは、都市部と地方が取引を行う事例も多々あり、また、多言語で展開することで海外進出なども比較的低いハードルで行うことができます。そのため、グローバルをターゲットに、安価でテストマーケティングを行うことが可能です。

SNSとの相乗効果

コンテンツマーケティングは、SNSと抜群の相性を誇っています。コンテンツの質がよく役立つものであれば、ユーザーによってTwitterやFacebookなどで拡散され、バズを生み出すことができれば、口コミ効果を上げることも可能です。自社商品やサービスのリードを引きつけ購買につなげたのち、彼らが拡散してくれれば、自発的に売り込みをかけなくとも集客効率を上げることに期待できます。

コンテンツマーケティングの成功事例

ここでは、そんなコンテンツマーケティングの成功事例について紹介します。

主婦層の心を掴んだメロドラマ

世界最大の一般消費財メーカーである『P&G』(英: The Procter & Gamble Company)は、1930年にラジオの連続ドラマを開始しました[7]。内容はメロドラマ(昼ドラ)であり、同社はターゲットである主婦層が、エンタテインメント性のあるコンテンツを求めていると発見し、彼らのニーズに合わせたストーリーのドラマを制作したのです。

もちろん企業メッセージや商品などを紹介したドラマではなく、恋愛や家庭事情などをメインとした内容でしたが、石鹸を売りたいターゲットである主婦たちの心を掴むことに見事成功。その結果、ドラマの熱心なファンを中心にブランドの認知度も大きく向上し、売り上げも増加。それ以降、昼ドラには石鹸洗剤メーカーがスポンサーに付く傾向が高くなり、今日では「ソープオペラ」(英: soap opera)と呼ばれています。

暮らしの提案を行ったECサイト

株式会社クラシコムが運営するECサイト『北欧、暮らしの道具店』は、月間PV数が1,300万、Instagramのフォロワー数が46万人を誇るほど高い支持を集めています。販売している商品はアルメダールスやマリメッコといった女性に人気のブランドが多く、バイヤーさんが丁寧に商品説明を書いていて、商品の押し売りは一切行っていません。

『北欧、暮らしの道具店』が伝えているのは、あくまで”暮らしの提案”であり、その延長に商品紹介があります。コンテンツを通じてユーザーをファン化し、継続的な来訪を狙って、最終的に購買を狙っています[8]。

読みやすい文章を心がけたWebメディア

コピーライターの糸井重里氏のエッセイが毎日読めるWebメディア『ほぼ日刊イトイ新聞』(通称: ほぼ日)。もともとはコマースを想定して設計されたわけではなく、糸井さん本人による「自らの場が欲しい」という想いがきっかけで誕生したメディアです。糸井さんは、段落を読みやすくした文章で、わかりやすい言葉を使って、徹底的に”読みやすさ”にこだわったエッセイを、1998年の開設以来、20年間一日も休まず更新し続けています。

ほぼ日は他のWebメディアと違って、他社の広告が一切掲載されていません。広告枠を使って収益を得ているわけではなく、また、コンテンツも全て無料で公開されているため、ユーザーはお金を支払うことなく購読できます。その代わり、事業としての収益を支えているのは物販であり、システム手帳として有名な「ほぼ日手帳」や、箸や土鍋などのキッチン用品、タオルや衣類などの生活用品、ジャンルを問わずさまざまなオリジナル商品がサイト上で販売されています。それでも売上高は2017年8月時点で40億円以上を記録しており[9]、まさに予算を抑えながら実践したコンテンツマーケティングの成功事例と言えます。

まとめ

さて、今回はコンテンツマーケティングについて考察してきました。

コンテンツマーケティングを実践したからといって、必ず成功するとは限りません。先に紹介したメリットがある分、結果が出るまでの期間が遅いなど、デメリットもいくつかあります。

成功事例が多いからという理由だけで見切り発車で行うのではなく、ユーザーのニーズをきちんと把握し、長期的なプランで挑めるかどうかがカギとなるでしょう。

引用

  1. B2C CONTENT MARKETING 2015 Benchmarks,Budgets,and Trends—North America
  2. Google Trends|コンテンツマーケティング
  3. Content Marketing All the Rage as A Term – Content Marketing Institute
  4. What is Content Marketing? – Content Marketing Institute
  5. The History of Content Marketing [Updated Infographic]
  6. Astonishing Tales of Content Marketing: The Michelin Guide | LinkedIn …
  7. The History of Content Marketing [Updated Infographic]
  8. 北欧、暮らしの道具店 – MarkeZine(マーケジン)
  9. 株式会社 ほぼ日|企業情報|会社概要