1. TOP>
  2. ブロックチェーン>
  3. STO
  4. セキュリティトークンを規定するHowyeテストとは

セキュリティトークンを規定するHowyeテストとは

  • feedy

最近ではSTO(セキュリティトークン・オファリング)という言葉が注目を集めている。そこで言われるセキュリティトークンはHoweyテストと呼ばれるテストを通過することでセキュリティトークンとして認められる。今回はHoweyテストとは何なのか、そしてその背景、SECが仮想通貨界に参入することはどういう意義があるのかについて考察していく。

目次

1.Howeyテストとは何か
1-1.Howeyテストの基準
2.ハウィーテストとICOとトークンの関係
2-1.ハウィーテスト以外のテスト
2-2.DAOとSEC
2-3.仮想通貨界へのSECの介入

1.Howey Testとは何か

1946年、最高裁判所は歴史の残る事件に対応した。その事件とはSEC(米国証券取引委員会)vs Howey社の争いであり、Howey Testの基礎を築くこととなった。この事件は、特定の取り決めが投資契約に該当するかどうかが争点になっていた。

1946年、最高裁判所は、リースバック契約が法的に投資契約であるかどうかに関する訴訟(SEC対Howey社)を審理した。フロリダを拠点とする2つの企業被告(Howey社)が、柑橘類の果樹園と土地の不動産契約を申し出た。
被告は購入者に対して購入した土地を被告に貸し直すオプションを提供した。
土地の購入者のほとんどは農家ではなく、農業の専門知識も持っていなかった。そのため彼らは柑橘類の果樹園を購入して、土地を被告にリース(貸与)していた。なぜなら被告が土地の管理を行ってくれるからだ。

しかしながら、これは米国証券取引委員会(SEC)によって違法とみなされ、被告は直ちに訴えられた。
SECによれば、被告は証券登録届出書を提出しなかったために違法とされた。被告の事業の実態を調査し、最高裁は画期的な決定を下した。

最高裁はある取引が投資契約であるかどうかを決定するために、テストを開発したのだ。仮にある取引がそのテストに該当するならば、それは証券登録要件の対象となる。

1-1.Howeyテストの基準

当該取引が以下の基準を満たす場合、当該取引は投資契約と呼ばれる:

・お金の投資であること
・投資先から収益が見込めること
・投資先が共同事業であること
・プロモーターや第三者の仕事による利益が見込まれること

元のHoweyテストでは「お金」という用語を使用していたが、後のケースでは、お金以外の他の投資や資産も含まれるようになった。

加えて、有価証券を決定する際に考慮すべきもう一つの重要なことがある。それは投資から得られる利益は、投資家の管理下にあるのか、ないのか、である。仮に利益が投資家の管理下にない場合、資産は通常担保される。

3.ハウイーテストとICOとトークンの関係

これはICOとトークンにどのように関連しているだろうか。トークンが前述のハウィーテストの基準をすべて満たす場合、それはセキュリティ(証券)とみなされる。

2-1.ハウィーテスト以外のテスト

しかしハウィーテストは唯一のテストではない。投資がセキュリティであるかどうかを調べるために裁判所が使用できるテストは他にも存在する。
特定の州では、「ブルースカイ」法と呼ばれることがある独自の証券登録要件が存在する。

ウィキペディアによると、
「最初のブルースカイ法は1911年にある銀行の最高責任者であるジョセフ・ノーマン・ドリーの提案によりカンザス州で制定され、他の州でも同様の法令のモデルとして機能した。1911年から1933年の間に、47の州がブルースカイ法を採択した。今日では、50州のうち40州のブルースカイ法が1956年の統一証券法に基づいて作成されている。歴史的には、連邦証券法と州のブルースカイ法は互いに補完され、しばしば重複していた。」

2-2.DAO事件とSEC

DAOというトークンがHoweyテストによって有価証券とみなされた後、Howeyテストと証券は仮想通貨コミュニティで激しい議論の的となった。

CoindeskのAsh Benningtonによる記事は、物語の形でDaoが有価証券と見なされた理由を分析している。

「それほど前のことではありませんが、ある開発者のグループがDAOを創業しました。」

DAOの開発者が言うには
「非中央集権的なプロジェクトが存在し、彼らには資金調達をする方法がない。私たちはコードを書いてトークンを売るつもりです。そして引き換えに、トークンを買う人はそれらのプロジェクトが得た利益を得るでしょう。私達はコードを作成します。 彼らはプロジェクトを選ぶでしょう。 プロジェクトは繁栄し、誰もが利益を得るでしょう」。

SECは「それは有価証券だ」と言う。

それに対して、DAOの開発者は「いやいや違う、ただトークンを売ってるだけだよ」と反論する。

最終的に、SECは次のように結論づけた。「これはセキュリティです。なぜならHoweyテストに該当するからです」

では、なぜDAOに最初の調査と裁定が行われたのか。

それは悪名高いDAOのハッキング事件が原因だった。以下に概要を説明する。

2-3.仮想通貨界へのSECの介入

Daoのスマートコントラクトに欠陥があり、ハッカーはその欠陥を悪用して、攻撃を実行。
5000万ドル以上のイーサリアムが奪われた。多くの人々が投資したにもかかわらず、イーサリアムが奪われてしまったため、SECは投資家の利益を「保護する」ために介入し、トークンをセキュリティと見なした。

SECのCEOであるJay Claytonは、次のように述べている。「SECは分散台帳およびその他の革新的なテクノロジーの効果を検討しており、市場参加者がSECと関わることを奨励しています。 何よりもまず、投資家と私たちの市場が確実に保護されるようにしながら、私たちは革新的で有益な資金調達方法を育成しようとしています。」

このSECの仮想通貨界への介入の決定は、仮想通貨コミュニティに議論を巻き起こした。

RippleのCEOであるBrad Garlinghouseは以下のように述べた。

「規制当局は(仮想通貨市場への介入から)撤退することはできません-そうすべきではありません。何世代にもわたり、彼らは詐欺から市場を守ってきました(今もICO市場で詐欺は起こっています)。」

一方でBitcoin.comの創設者であるRoger Verはこの決定に反対。

「(SECの介入はまるで、)遠く離れた土地にいる見知らぬ人間が、平和な世界に住む人々を暴力で脅かすようなものだ」と述べた。

参照元:BlockGeeks
記事執筆:塚田愼一

免責事項

当サイトに掲載されている情報は、プロジェクトの概要をご理解いただくことを目的として、細心の注意を払って掲載しておりますが、その正確性、完全性、有用性、安全性等について、一切保証するものではありません。

当サイトに掲載されている情報のうち、法令について記載したものがありますが、当サイトは、利用者に対し、法的助言を提供するものではなく、また、弁護士資格を有する者が執筆・監修したものではありません。その正確性、完全性、有用性、安全性等について、一切保証するものではなく、法的事項については、弁護士資格を有する方に御相談ください。

当サイトに掲載されている情報は、いかなる情報も投資活動の勧誘や特定のプロジェクトへの投資の推奨等を目的としたものではありません。

投資等に関する最終ご判断は、読者様ご自身の責任において行われるようお願いいたします。

なお、本情報を参考・利用して行った投資等の一切の取引の結果につきましては、当社では一切責任を負いません。

当サイトに掲載されている情報のうち、過去または現在の事実以外のものについては、執筆時点で入手可能な情報に基づいた当社の判断による将来の見通しであり、様々なリスクや不確定要素を含んでおります。

つきましては、実際に公表される業績等はこれら様々な要因によって変動する可能性があることをご承知おきください。