厚生労働省の発表によると、精神障がい者の職場定着率は約49%と低く、継続的な就業が困難な理由に「職場でのコミュニケーションや人間関係」「仕事が合わなかった」「体力意欲が続かなかった」「症状が悪化した」など、「仕事と健康管理(状態)」に関する理由が挙げられていることから、いかにして、就職後も安定的にかつ戦力的に働くことができるのかが、障がい者の就労・雇用業界における重要な課題であることが分かる。
③本音にあったのは「安定的に働きたい」「本当はもっと企業の力になりたい」だった
同社に登録する方々には、企業に勤めて日々仕事に励んでいた方々が大勢いる。そんな方々の本音には、「安定した環境で、しっかりと企業の力になり、社会の役に立ちたい。」という潜在的な意志がある。この意志を実現するためには、決して本人だけではなく、企業などの働く環境、障がい者雇用担当者、福祉的支援者などを含めた「組織全体の仕組み化(再現性のある支援体制の構築)」も重要な課題であると捉えていると言う。
■同社の強みと事業沿革
これらの社会的課題を解決するべく、同社は創業から5年以上、全国47都道府県、総勢6,000名を超える働く意志を持つ障がい者をネットワークしながら、民間企業の外注業務を積極的に受注して、400種類を超える業務を障がいのある方々に再委託を行い、かつ当社の従業員である医療従事経験者、障がいのある社員、BPOディレクターなどで構成されたチームをもって、全ての作業管理・品質管理・納品管理・技術指導等を行いながら、”障がい者に新たな仕事の流通”をつくる「障がい者特化型BPO事業」を展開してきた。
そして2019年4月。障がいのある方々でも、発注元企業の収益に直結する外注業務を受注して、かつ成果を生み出せる仕組みを駆使して積み重ねたノウハウを活かし、次なる課題である、障がいのある方本人の「仕事と体調管理の自立」を支える仕組みづくりへの挑戦を開始した。それが、就労困難者特化型の、仕事と体調管理の両立支援HRテック「NEXT HERO」である。
■今回の増資について
「NEXT HERO」を中心とした事業展開をより一層推進し、就労支援ソリューションから、「就労困難者特化型のHRテック業界」へ本格的に参入・加速化するためのものであり、「NEXT HERO」の開発拡充と、仕事を通じて活躍したい、という意志のある障がいのある方々、障がい者雇用を行っている法人への積極的な導入を推進。
さらに、「人々の幸せと人類の進歩に貢献する」というビジョンと、その強い想いが体現された「圧倒的な実績」を誇るスカラグループがこれまで蓄積させてきた、SaaS/ASPのノウハウ、知見を提供していただき、さらに「協業」「UI/UX及びウェブデザインの制作提供」などもご支援いただきながら、「NEXT HERO」を利用する全てのユーザーが、仕事を通じて「存在価値・存在意義を強く実感できる社会」を実現していくと言う。