KIBITは、その記録を教師データとして読み込み、専門家が「気になる記録」を選んだ際の判断の感覚や暗黙知を学ぶ。学習したKIBITは専門家と同じ観点で、各行の膨大な取引記録を人の約4,000倍のスピードで読み込み、スコア付けを行うことにより、顧客のニーズや課題など見つけ出すべき記録を抽出することができる。
専門家の観点は、「お客さまの金融商品に対する理解度」「適切な販売手順の順守状況」「お客さまの投資方針との整合性」などが想定されており、いずれもキーワード検索のみでの抽出が難しく、また、見つけ出す精度と漏れのない抽出を行う網羅性の両方が求められる抽象度の高い課題となっている。
実証実験では、人工知能の判断の基礎となる教師データの作成と、解析対象データのインプットと解析結果の精度検証を行う。「TSUBASAアライアンス」加盟行とT&Iが共同で取り組むことで、数多くの事例の収集・学習やノウハウの共有が図られ、解析技術の向上にもつながるものと考えられる。6行では、実証実験の結果を踏まえたうえで、KIBITの本格導入を検討して行く予定である。