まずは第一弾として、Keychain Cloud(モバイルやIoTデバイスのEnd to End 暗号化データ通信、クラウドへの暗号化したデータ保存)サービスを、ブロードバンドタワーのデータセンター上で稼働させたベータプロダクトの提供などを早期に開始することを検討している。本プロジェクトは、日本政府が推進する「Society5.0」と東京都が推進する「国際金融都市・東京」構想に則った民間プロジェクトである。Society5.0に規定された5大プロジェクトの1つがフィンテックであり、東京都の構想では、「アジアの金融ハブ(国内の個人金融資産から、日本を含むアジアに成長資金を供給)」、「人材、資金、情報、技術の集積(金融分野に留まらず、新たな産業やビジネスを創出)」、「資産運用業・フィンテックに焦点(内外の関連事業者を重点的に誘致・育成)」、「社会課題の解決に貢献(投資家・顧客本位、ESG〔環境・社会・ガバナンス〕投資を東京に取り込む)」となっている。このため、金融機関拠点の大手町~証券取引拠点の日本橋を結ぶ「日本版ウォールストリート構想」を実現すべく、大手町データセンターを拠点とした『大手町フィンテックコンソーシアム』の立ち上げを共同で行っていく。今後本格化するフィンテック企業と金融機関のオープンイノベーションを進めていくうえでは、安全なデータ通信セキュリティはもちろん、企業間のデータの所有者・データ移転等に関する取引履歴の保存が求められている。Keychainの技術は、無数のモバイル・IoTデバイスの認証をおこない、暗号化したデータ通信が可能となる。また、Keychainの分散認証プラットフォームのコンセプトでは、いままで一部の機関が集中的におこなっていた認証機能を、複数の企業で分散してブロックチェーン上で運営できることになる。これにより多くの企業は、特定の機関に認証業務などが運営されることを懸念せずにオープンイノベーションを促進していくことが可能となる。