ITベンチャーの(株)ナイトレイ(東京都渋谷区、代表取締役石川豊)は、訪日外国人観光客の行動データ可視化ツールとデータ提供を行うサービスをリリースした。サービス名は「inbound insight(インバウンドインサイト)」2014年実績で1341万人(旅行消費額約2兆300億円)、2020年の東京オリンピック時には2,000万人以上という膨大な数の外国人観光客の訪日が予想されており、日本各地の観光業・小売業を中心にしたインバウンド関連ビジネスにおける訪日外国人対策のニーズは日増しに高まっている。しかし、訪日外国人が日本国内でどこに行っているのか、どういった行動をしているのか、どういったものに興味があるのか、といった位置・移動・行動についてのデータを取得する方法がなく、訪日外国人の行動について客観的に判断できるデータ解析も行う事ができなかった。こういった状況に対し、ナイトレイはこれまで3年以上にわたって培ってきた、日本語を中心としたSNSのデータを利用した位置・移動・行動データ解析の技術とノウハウに加え、言語判定や国籍判定、入出国判定などを常時解析する技術を新たに開発することで、訪日外国人が日本国内を観光する際の行動を可視化し、低コストで提供する商品を開発した。「inboundinsight」は、ブラウザから利用できる行動データ可視化ツールと解析データ購入プランの2つのサービスからなっており、行動データ可視化ツールには無料プランと月額10万円で利用できるPROプランの二つのメニューニューがある。行動データ可視化ツールの無料プランでは、地図上でのヒートマップ表示、人気エリアランキング表示、行動データのグラフ化が可能であり、PROプランでは無料プランの機能に加え、地図上での行動ルート表示、国籍判定(中国、香港、台湾、韓国、タイ)、性別判定(中国、台湾、香港)、ポイントデータ表示、クチコミ詳細内容表示、投稿写真表示の機能がある。解析データ購入プランでは必要な期間の解析結果を、投稿日時、緯度経度、住所1(都道府県)、住所2(市区町村)、住所3(町丁目番地)、住所4(番地)、プレイス名、ユーザID、性別、推定国籍、投稿テキスト、投稿画像URLといった項目で提供する。「inboundinsight」の行動データ解析対象は、Twitterや新浪微博などのSNSで公開されているユーザ投稿情報で、未公開の投稿やクローズドアプリのログデータなどは含まれませんが、現在1ヶ月あたり約5,000人の訪日外国人旅行者のデータ解析が実現できており、行動傾向(訪問施設、行動種類、移動ルート)や国籍別の嗜好をつかむ事ができる。ナイトレイでは、「inboundinsight」を訪日外国人の誘致を進めている官公庁や観光業、ホテル業、商業施設、商店街等に向けて導入提案を進めていく方針で、これらにより2015年末までに行動データ可視化ツールを100社、解析データ購入プランを20社への導入を目指す。