2019年の4月1日から新たな在留資格を新設する改正出入国管理法が施行されている。人手が不足している業種を対象に、一定の技能と日本語能力のある外国人に日本での就労を認めるものだ。この改正により、今後5年間で約30万人〜40万人の外国人労働者の受け入れが見込まれている。
今回の記事ではボンド株式会社の代表取締役である住吉良介氏に企業の概要から、調達資金の用途までお話を伺った。
ボンド社は日本語学習動画プラットフォーム「BondLingo(ボンドリンゴ)」を運営している。今後、訪日外国人が増えると見込まれる中で、語学習得のサポートをしたいという思いから事業を始めたという。
「弊社は日本語学習のオンラインプラットフォームを運営しております。今後、少子高齢化で労働力が不足していくので、外国人労働者が増えていくと考えています。外国人の方が日本で働こうとしたときに、最初に障壁となるのは言語です。言語の壁の問題をオンラインで解決したいと考え事業を行っています。」
会社設立時は動画のインバウンドメディアを運営していたそうだ。渋谷や原宿を紹介する動画をInstagramやFacebookといった媒体に投稿することで、合計100万人以上のフォロワーを獲得。その中で短い日本語学習動画も投稿しており、そこから現在の事業に至ったという。
同社は日本語だけでなく、英語やベトナム語で説明する動画も作成している。
「まず日本語で説明する動画を撮影します。次にベトナム人の方に来てもらって、同じ内容をベトナム語で説明するという形でローカライズしています。YouTubeの字幕機能などとは違い、同じ内容を人を変えて英語とベトナム語で動画を撮影しています。」
また、オンラインプラットフォームのみでなく、ベトナムのハノイに日本語学校を設立中だと言う。
「ベトナムのハノイに日本語学校として子会社を作りました。ハノイにあるオフィスを借りまして、300人規模の広さがあります。現在、ベトナムでは日本が注目を集めています。現地の日系企業や日本で働きたい、日本の大学に行きたいという人に来ていただければと思っています。」
法務省の統計によると、日本にいる在留外国人の中でベトナム人が3番目に多い。一番多いのは中国人で、次いで韓国人が多い。ベトナム人はここ数年で増加傾向にあり、2018年にはおよそ33万人のベトナム人が日本に滞在している。これは前年と比べて約26%も増加している。
また、新たな在留資格特定技能を新設する改正出入国管理法が2019年4月1日から施工されている。学歴とは関係なく、一定の技能と日本語能力があれば日本で働けるというビザである。
今後5年間で30万人〜40万人の外国人労働者の受け入れが見込まれ、特にアジアからの流入が多いと推測。住吉氏は「国と国との法整備が必要なので、受け入れはなかなか進んでいないですが、今後確実に受け入れは増えていく」と考えていると言う。
ボンド株式会社は、「世界と日本を繋ぐ」をミッションに事業を進め、様々なコンテンツを発信している。今後はオンラインだけでなく、実際の日本語学校も含めて活動の幅を広げていく予定だ。
「現状はオンラインがメインなので、明光ネットワークジャパンさんと協力して100万人以上にBondLingo(ボンドリンゴ)を使ってもらいたいと思っています。そうなるとお客様と接していく機会も増やせると思いますので、ユーザーと実際に対面でセミナーを行うことが出来ると思います。」
また、オンラインと現地の学校の両方で、就職や留学のサポートも最終的に行っていければと考えていると言う。
「来年を目処にベトナムに2つめの日本語学校を設立し、300人規模前後で増やせればと思っております。2,3年以内に2000人くらいの規模にまで拡大し、就職先や留学先の紹介を行って、教育以外の面からも日本に来たいと考えてくれている外国人の方をサポートをしていきたいです。」
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