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フードロスを削減するために「おうちdeマルシェ」を提供:生活雑貨から食料品まで取扱商品を拡充 / インタビュー株式会社システムジュウヨン  
神場教彰(取締役副社長)/上野智也(商品部)/中村晴美(商品部)

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新型コロナウイルスによるマーケットの先行きは見通すことができず、これからどうしていけばいいのか悩むビジネスマンが多い。その中で、最前線でコロナと戦う企業家の考えている事や、現在の取り組み、中長期視点をインタビューし、共有することでベンチャータイムスの読者へ少しでも参考になればという思いの元、インタビュー特集を行うこととなった。

今回お話を伺うのは「おうちdeマルシェ」で注目を集めている株式会社システムジュウヨンの神場教彰 氏(取締役副社長)・上野智也 氏(商品部)・中村晴美 氏(商品部)の3名だ。
※本インタビューはオンラインにて取材致しました

株式会社システムジュウヨンの運営する「ママイクコ」は自然体で洗練され、それでいて可愛らしさも兼ね備えたギフトを販売しており、実店舗に加えてEコマースにも注力している。

今回、新型コロナウイルスの影響で多くのレストランは休業を余儀なくされ、多くの食材がフードロスの危機に直面している。そこで、本来飲食店に卸されるはずだった食材をオンラインで直接消費者の方に販売して、生産者さんを応援しようとする新しい取り組みが「おうちdeマルシェ」である。

現在「ママイクコ」のサイト内で販売中。
詳細はこちら

外出自粛が続く状況下で、一番の支えとなるのは衣食住という基本的な部分だ。質が高く、美味しい食材を家でも楽しめる「おうちdeマルシェ」は今後もニーズが広まっていくだろう。株式会社システムジュウヨンは、どのようなビジョンのもとでこの新しい事業を開拓するに至ったのだろうか。

会社概要:生活雑貨店「ママイクコ」をリアルとオンラインで運営

神場教彰 氏(取締役副社長)

神場:
弊社は創業36年、大阪に拠点をおいている株式会社システムジュウヨンと申しまして、「ママイクコ」という生活雑貨店をリアルとオンラインモールの両方で運営しています。フランチャイズと直営、委託店舗という3業態で、全国で92店舗を展開。従業員は社員、パート含めて300人前後、本部社員は22名とコンパクトな組織体系です。女性比率が95%と多いので、女性の目線、感覚での運営を特徴としており、今期は「笑顔と遊ぶ」をテーマに商品開発や店舗の運営をしています。

話題の「おうちdeマルシェ」とは

上野智也 氏(商品部)

上野:
新型コロナウイルスの影響で、多くの飲食店が営業できず、生産者も同じく苦境に立たされています。そして、多くの食材がフードロスの危機に直面しています。そこで、生産者の方々に「おうちdeマルシェ」として、オンラインモールへ出店頂きました。
「おうちdeマルシェ」に並んでいる商品は、ホテルや料亭、そして銘店に行くはずだった食品です。美味しくいただきながら、おうちで応援してほしいという趣旨の企画になっています。今回は産業応援企画として有名飲食店に卸しているお肉、魚介、野菜果物それぞれ3つのカテゴリでお得なセット商品をご用意いただきました。

企画に至った背景:卸業者の多大なる協力と、社内メンバーの尽力

卸業者の方の協力で今まで扱ってこなかった食料品の取り扱いを実現

神場:
弊社は小売店としてECサイトを立ち上げる際に、多くの人の働きかけで生産者様と食品の卸売メーカー様とパートナーになる機会をいただきました。「おうちdeマルシェ」を通じて飲食店に行くはずだった食材がフードロスとならないように、微力ながらママイクコで協力したいという思いがあります。

苦労した点で言いますと、ママイクコでは普段食品を取り扱っていませんでした。そのため、どのようにお客様に伝え、どのように食品を扱うのかに苦労し、責任を強く感じるようになりました。

参加企業一覧

中村:
今回パートナーになってくださった、株式会社山治様、かいせい物産株式会社様、プライムミート株式会社様、株式会社フードサプライ様の多大なるご協力があったからこそ、最高のスタートを切ることができました。そして、それぞれ業界の第一線を走る企業様で、今回の「おうちdeマルシェ」により、お手伝いできたのは私たちにとって自信につながっています。

社内メンバーの尽力:コロナの影響で意識に変化

中村:
副社長の神場の一声が、全社挙げてのプロジェクトであるという社員一人一人の認識と意識を変えた気がしています。従来はEC事業よりも実店舗に注力していたのですが、神場と上野が進めていたECの運営に向けて会社が一つになりました。

毎日、毎時間、毎分の勢いで、受注状況を確認し、様々なサイトと比較検討し、瞬時に商品名を変更し、写真を撮り直してより商品を魅力的に見せたりと走りながら修正・強化しています。

「おうちdeマルシェ」の反響

中村晴美 氏(商品部)

中村:
「おうちdeマルシェ」は予想をはるかに上回るご注文をお客様より頂戴しています。取引先、仕入先の皆様にご協力いただきながら、関係各社一丸でやり遂げたという気持ちです。

神場:
僕の友人からは「おうちdeマルシェ」の食材を買ったと報告してくれる人もいます。今回はプロの食材をたっぷり詰め込んでお届けてしているので、届いた人から非常に好評頂いています。「おうちdeマルシェ」に出店していただいたメーカーさんの熱意も強く感じています。まだ出荷が始まったばかりなので、今後お客様のもとに商品が届くにつれて、「良いものが届いた!」「美味しいものが届いた!」と体感していただければと思っています。

最後に一言:立ち止まって事業を見直し、今後は幅広い企業と提携していきたい

神場:
今までファッションを軸に、嗜好性の高い商品を「お手軽に買える雑貨店」として運営してきました。その事でセールも多く、アパレルに近い展開での店作りとなっていました。
しかし、今回のEC開発をきっかけに、生活雑貨店としてしっかりと我々らしい日用品の品揃えの強化に一歩踏み出せた気がしています。今時期だとギフトを中心としつつ、可愛いマスクやハンカチなどで「最寄品(日用品)のセンス商材」をお客様にご提案してゆく事で、ママイクコの個性を表現してゆこうと思っています。

実は予てより、ママイクコはファッション・トレンド品から日用品にシフトしようと調整していたところでしたので、今回のコロナの影響から、一気に舵を切らざる得ない事が、結果的には転換への一歩につながりました。

中村:
先程コロナで取扱商品の方向性が転換したという話がありました通り、コロナウイルスの影響で家庭や社会、日常でも変化が起きて、全てを立ち止まって見直すきっかけになりました。

上野:
オンラインショップで直接お客さんと接していないにも関わらず、お客様の反応や喜ぶ点などが今までよりも見えてきたことに驚きました。SNSで会社の情報を配信しているのですが、ママイクコの店舗がなくなってしまったので、ECサイトで購入できて嬉しいという声も頂きました。売り場重視の方針でやってきましたがデジタルでもリアル店舗と変わらない接客でお客様と向かい合う必要があると強く感じました。
ECサイトを立ち上げできたことも、ひとえに周りのサポートがあったからの一言につきます。多くのスキルを持った方からご協力いただいて、ローンチできたことが嬉しかったです。

神場:
状況はコロナの影響で良いとは言えないのですが、多くの人からのサポートを強く実感することができました。人との出会い方、勢い、回転、ビジネスに発展する流れが今まで会社に足りなかったのかもしれません。クローズに近い業態だったので、コロナの影響でマインドセットができたと感じます。今後は更にご自宅で外出自粛している方々に向けて、新しいジャンルも含めた提携先を展開し、様々な業界の方と協力して「ママイクコ」のサポートの輪を広げていきたいです。