①ランディングページから申し込む。
②メールアドレスを登録する
③企業情報を登録する。
④マイページを作成する。
⑤必要書類(本人確認書、決算書または確定申告書、入金待ちの請求書およびそれに紐づく契約書や見積書)を添付する。
⑥担当者がメール、ないし電話でヒアリングを行う。
⑦AIシステムが審査を行う。
⑧審査完了後に入金を完了する(最短で即日)。
ここで、チェックしたいのはAIシステムが審査を行う前に、担当者によるヒアリングも行われていることだ。
「自社のシステムを活用していますが、それだけではわからないことも当然あります。お電話やメールでやりとりして、どういう風に資金が必要なのか、どんなお人柄なのかをお伺いし、審査の参考にさせていただいています。しかも、応対しているのは女性スタッフです。女性ユーザーの利用が多いのも、そのためかもしれません。他社にはないところです」
さまざまな工夫が施されていることもあって、「PAY TODAY」の事業は好調だ。2021年1月にローンチしたが、わずか3カ月で申請総額1億円を突破。約1年間で20億円を達成している。
「ペースとしては予想よりも速い気がしますが、まだまだ伸びると思っています。ここで終わらないという肌感覚です」
現在の利用者比率を見ると、中小企業・中堅企業が4割、スタートアップ企業・ベンチャー企業が2割。フリーランスが3~4割とのこと。
「フリーランスの割合が多いのは、実はもともと、彼ら・彼女らのライフスタイルを支えたいという想いからスタートしたサービスであったからです。コロナの影響もあって、最近フリーランスとして独立されて働く方がすごく増えました。ただ、課題がないわけではありません。やはり、事業を進めていく上で資金をどう調達していくかは大変ですから。そのためにも、このサービスを通じてライフスタイルを多様化して人生を豊かにしてほしいという気持ちを込めて事業を展開しています」
利用者が多種多様ということもあって、買取申込金額は幅があるようだ。フリーランスだと20万円前後が多いが、なかには1000万円規模の相談も珍しくない。一方、法人企業の場合には、2000万や3000万のレベルが多いが、5000万円以上という打診もあるという。
ところで、何千万もの金額を即日で調達できるなど、ファクタリングサービスはスピード感と誰でも利用できる容易さがあるなど魅力に溢れているが、どのように活用していくことが望ましいのであろうか。ファクタリングサービスだけに頼っていては、利益を確保できず、成長も見込めない気がしてくる。
「私たちは、あくまでもファクタリングを資金調達の一つと考えています。だから、ご利用いただく際には、そういう認識をしていただきたいのです。実際、ファクタリングは融資とは性質が違い、メリットばかりではありません。デメリットもあります。代表的なのは、手数料が高いことです。利益の中から、5%以上もの手数料を支払っても会社が成長していけると思える方に利用いただきたいです」
もう一点、田中氏が強調するのは、ブリッジファイナンスとしてのファクタリングであることだ。
「短期的なつなぎ資金だということです。昔ながらのイメージだと、資金を回すために利用するというもので、それでは逃げ出せなくなります。そうではなくて、ブリッジファイナンスとしてのファクタリングとはあくまでも前向きな資金調達として位置づけています。2-3カ月後にはファクタリングを売上増加という良い形で卒業していただきたいと思っているくらいなのです」
現状、田中氏によればファクタリングサービスの存在を知っている経営者は、一割程度。その中でも、こうした前向きな使い方・的確な利用法まで熟知しているのは、さらにまた1割に過ぎないとのこと。本当に少数になってしまう。
「私たちの課題は、そこの認知を高めていき、的確にファクタリングを使っていただくことです。できれば9割ぐらいにもっていきたいです。そのためにも、正しく利用していただくところを全面的に押し出していく考えです。特にフリーランスの方には、色々な人生がある中で、自分が生きたいと思った人生を生きるために必要な手段としてファクタリングが使われていけば、もっともっと人生が豊かになっていくと思っています。その想いを持ってこれからもサービスを提供していきたいと願っています」
Dual Life Partnersが提供するPAYTODAYが、今後ファクタリングに対する経営者やフリーランスの意識をどう変えていくのか。楽しみである。
ライター
袖山 俊夫