1. TOP>
  2. 社長・代表 取材・インタビュー
  3. ファクタリングを資金調達の選択肢の一つに

ファクタリングを資金調達の選択肢の一つに / インタビューDual Life Partners株式会社
取締役 田中 美由紀

  • feedy

目次

ファクタリングとはどのようなサービスか

コロナ禍で、多くの企業は日本政策金融等によるコロナ融資を利用したはずだ。だが、そのコロナも落ち着きはじめており、返済の時期が始まりつつある。企業経営者としては資金調達を改めて見直す必要が来ている。

こんな時に、もし大型の商談が寄せられたものの、手許に十分な現金がない場合、経営者としてどんな判断を下すだろうか。急遽、日頃から付き合いのある民間金融機関や政府系金融機関などに緊急の追加融資を相談するのも一つの方法だが、決裁が下りるまでに時間が掛かってしまうのは言うまでもない

そうした局面で、「スピーディーかつ容易に資金を調達できない」と考える経営者に認識してもらいたいのが、ファクタリングサービスだ。ファクタリングとは、企業やフリーランスが保有する売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらい、早期に資金化するサービスだ。「支払いサービス」「請求書買取」とも呼ばれている。

ファクタリングは最新のサービスというわけではない。以前から多くの専門会社が手掛けている。だが、ネガティブなイメージもあって、世間にあまり認知されていなかったといえる。そんな状況を打破する、画期的なサービスがある。それが、Dual Life Partners株式会社が提供するAIファクタリングサービス「PAY TODAY」だ。なぜ、注目されているのであろうか。

AIファクタリングサービス「PAY TODAY」が注目される理由とは

「『PAYTODAY』の特徴は、手数料が1~9.5%と業界最安であることです。ファクタリング業界だと10~20%が一般的と言われています。手数料を高くすると、当然ながら申込者の利益が少なくなってしまいます。それでは、『ファクタリングを利用しずらい』と思われてしまうので、できるだけ低料金で提供するようにしています。また、もう一つの特徴はオンライン完結型です。すべてをオンラインで行い業務を効率化させることで、コストを抑えるとともに審査の迅速化を図っています」

事実、審査に要する時間は他社を圧倒している。今までも45分で完了していたが、最近では30分を徹底させているという。

「お客様にスピード感をもって提供することで満足度がかなり違ってきます。より審査時間を短くしていくにはどうしたら良いか。そこは当社の課題です」

「PAY TODAY」を利用するにあたっての基本的な流れは、以下の通りだ。
①ランディングページから申し込む。
②メールアドレスを登録する
③企業情報を登録する。
④マイページを作成する。
⑤必要書類(本人確認書、決算書または確定申告書、入金待ちの請求書およびそれに紐づく契約書や見積書)を添付する。
⑥担当者がメール、ないし電話でヒアリングを行う。
⑦AIシステムが審査を行う。
⑧審査完了後に入金を完了する(最短で即日)。

ここで、チェックしたいのはAIシステムが審査を行う前に、担当者によるヒアリングも行われていることだ。

「自社のシステムを活用していますが、それだけではわからないことも当然あります。お電話やメールでやりとりして、どういう風に資金が必要なのか、どんなお人柄なのかをお伺いし、審査の参考にさせていただいています。しかも、応対しているのは女性スタッフです。女性ユーザーの利用が多いのも、そのためかもしれません。他社にはないところです」

さまざまな工夫が施されていることもあって、「PAY TODAY」の事業は好調だ。2021年1月にローンチしたが、わずか3カ月で申請総額1億円を突破。約1年間で20億円を達成している。

「ペースとしては予想よりも速い気がしますが、まだまだ伸びると思っています。ここで終わらないという肌感覚です」

現在の利用者比率を見ると、中小企業・中堅企業が4割、スタートアップ企業・ベンチャー企業が2割。フリーランスが3~4割とのこと。

「フリーランスの割合が多いのは、実はもともと、彼ら・彼女らのライフスタイルを支えたいという想いからスタートしたサービスであったからです。コロナの影響もあって、最近フリーランスとして独立されて働く方がすごく増えました。ただ、課題がないわけではありません。やはり、事業を進めていく上で資金をどう調達していくかは大変ですから。そのためにも、このサービスを通じてライフスタイルを多様化して人生を豊かにしてほしいという気持ちを込めて事業を展開しています」

ブリッジファイナンスとしてのファクタリング定着を目指す

利用者が多種多様ということもあって、買取申込金額は幅があるようだ。フリーランスだと20万円前後が多いが、なかには1000万円規模の相談も珍しくない。一方、法人企業の場合には、2000万や3000万のレベルが多いが、5000万円以上という打診もあるという。

ところで、何千万もの金額を即日で調達できるなど、ファクタリングサービスはスピード感と誰でも利用できる容易さがあるなど魅力に溢れているが、どのように活用していくことが望ましいのであろうか。ファクタリングサービスだけに頼っていては、利益を確保できず、成長も見込めない気がしてくる。

「私たちは、あくまでもファクタリングを資金調達の一つと考えています。だから、ご利用いただく際には、そういう認識をしていただきたいのです。実際、ファクタリングは融資とは性質が違い、メリットばかりではありません。デメリットもあります。代表的なのは、手数料が高いことです。利益の中から、5%以上もの手数料を支払っても会社が成長していけると思える方に利用いただきたいです」

もう一点、田中氏が強調するのは、ブリッジファイナンスとしてのファクタリングであることだ。

「短期的なつなぎ資金だということです。昔ながらのイメージだと、資金を回すために利用するというもので、それでは逃げ出せなくなります。そうではなくて、ブリッジファイナンスとしてのファクタリングとはあくまでも前向きな資金調達として位置づけています。2-3カ月後にはファクタリングを売上増加という良い形で卒業していただきたいと思っているくらいなのです」

現状、田中氏によればファクタリングサービスの存在を知っている経営者は、一割程度。その中でも、こうした前向きな使い方・的確な利用法まで熟知しているのは、さらにまた1割に過ぎないとのこと。本当に少数になってしまう。

「私たちの課題は、そこの認知を高めていき、的確にファクタリングを使っていただくことです。できれば9割ぐらいにもっていきたいです。そのためにも、正しく利用していただくところを全面的に押し出していく考えです。特にフリーランスの方には、色々な人生がある中で、自分が生きたいと思った人生を生きるために必要な手段としてファクタリングが使われていけば、もっともっと人生が豊かになっていくと思っています。その想いを持ってこれからもサービスを提供していきたいと願っています」

Dual Life Partnersが提供するPAYTODAYが、今後ファクタリングに対する経営者やフリーランスの意識をどう変えていくのか。楽しみである。

インタビュアー

ライター
袖山 俊夫