注文は主に電話で受け付けるが、受付担当者は通常のオペレーターではない。「コンシェルジュ」と呼び、エー・ピーカンパニーの店舗でキャリアを積んだ社員を配置している。コンシェルジュは店舗で培ったおもてなしを駆使しながら、前回の注文内容などを話題にして関係を深めている。
デリバリーにも工夫を凝らしている。デリバリーは外部委託しているが、営業担当者がみずから出向くケースもあり、ここでMRとの関係を強化している。その成果として、注文が営業担当者の携帯電話に直接入ることもあるという。
今後は、高価格の弁当を購入する機会が多い業種として、銀行、証券会社、保険会社、コンサルティング会社、会議ホールなどを開拓する方針だ。15年12月2日にはリアル店舗も出店した。エキュート品川 サウスに「塚田農場OBENTO&DELI」を出店し、「BtoCにも参入して『塚田農場の弁当』というブランドを広めてゆく」(森尾氏)という。
海外展開も視野に入れ、ニューヨーク、パリ、シンガポールなどでオフィス向け需要を狙う構想だ。森尾氏は「ビジネスマンがランチタイムにテイクアウトする料理はあまり美味しくない。OBENTOという言葉は海外でも知られているので、弁当の宅配などを考えている」と抱負を述べる。
これも「食のあるべき姿を追求する」というミッションの普及である。