2012年8月、同社は東京タワーを目の前に臨む立地に地下3階・地上6階の結婚式場「The Place of Tokyo」をオープンさせ、ブライダル事業に進出した。武長氏は社員の結婚式に出席するたびに感動を体験したが、これを事業として提供できないだろうか。「日本一のおもてなし集団」を目指していく同社にとって、ブライダル事業は外食事業で蓄積したホスピタリティを展開するチャンスだが、武長氏は投資額にためらっていたのだ。
「The Place of Tokyo」には3会場が開設され、ナイトウェディングの受注増などで1会場あたりの回転数は、有力施設の約1・5倍におよぶ年間173回転。年間挙式数は570組に達している。
その後、16年3月末にDDホールディングス(東証一部)の出資を得た(出資比率9・38%)。増資にともなう出資元には他社も候補に挙がっていたが、武長氏は、DDホールディングスを選んだのである。
「当社の成長にもっとも必要な要素は何かと考えたら、それは情報でした。情報収集力を強化する目的で、創業当初から親身になってくださっているDDホールディングスの松村厚久社長とのご縁で出資していただいたのです」
17年6月にJR大井町駅近くにオープンした「屋台屋 博多劇場 大井町店」は、店舗の枠組みに米国から取り寄せたスチールキャビンを使用して屋台の特徴を鮮明に打ち出したが、この出店はDDホールディングスのサポートを得たという。
経済ジャーナリスト
小野 貴史