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おもてなしマインドの徹底教育で会員比率約70% / 注目ベンチャーインタビュー前編株式会社一家ダイニングプロジェクト
代表取締役社長 武長太郎

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株式会社一家ダイニングプロジェクトは、今後、上場も視野に入れている。同社は千葉県を中心に首都圏で「こだわりもん一家」(13店)「屋台屋 博多劇場」(27店)を展開し、今年(2017年)で会社設立20年目。17年3月期売上高は、前期比10億8300万円増の54億1800万円。経常利益は5100万円増の1億5400万円と徐々に規模を拡大してきた。

同社は区切りの良いタイミングで次の成長段階へと踏み切るのだが、社長の武長太郎氏は、けっして多くの外食ベンチャー企業経営者のような猛進型ではない。それゆえに現在の規模に会社を成長させるまで20年を要したのかもしれない。

ブライダル事業への参入を明確に決意したのは、東京タワーを見上げた時だった。ひとりでライトアップされたタワーを見上げているうちに、胸の内が変化してきたのだ。武長氏の意思はこの瞬間に固まった。

「経営理念に『夢を持ち、限りなく挑戦していく』と定めているのに、それなりに会社を成長させたことで、自分は経営者として、いつの間にか保守的になっていたのではないだろうか。これではいけない。あくまで挑戦をつづけなければ……そんな感情が沸き上がってきたのです」

3会場を開設した結婚式場は 1会場年間173回転、年間570組

2012年8月、同社は東京タワーを目の前に臨む立地に地下3階・地上6階の結婚式場「The Place of Tokyo」をオープンさせ、ブライダル事業に進出した。武長氏は社員の結婚式に出席するたびに感動を体験したが、これを事業として提供できないだろうか。「日本一のおもてなし集団」を目指していく同社にとって、ブライダル事業は外食事業で蓄積したホスピタリティを展開するチャンスだが、武長氏は投資額にためらっていたのだ。

「The Place of Tokyo」には3会場が開設され、ナイトウェディングの受注増などで1会場あたりの回転数は、有力施設の約1・5倍におよぶ年間173回転。年間挙式数は570組に達している。

その後、16年3月末にDDホールディングス(東証一部)の出資を得た(出資比率9・38%)。増資にともなう出資元には他社も候補に挙がっていたが、武長氏は、DDホールディングスを選んだのである。

「当社の成長にもっとも必要な要素は何かと考えたら、それは情報でした。情報収集力を強化する目的で、創業当初から親身になってくださっているDDホールディングスの松村厚久社長とのご縁で出資していただいたのです」

17年6月にJR大井町駅近くにオープンした「屋台屋 博多劇場 大井町店」は、店舗の枠組みに米国から取り寄せたスチールキャビンを使用して屋台の特徴を鮮明に打ち出したが、この出店はDDホールディングスのサポートを得たという。

インタビュアー

株式会社KSG
眞藤 健一
株式会社トラフィックラボ
清水 彰人

経済ジャーナリスト
小野 貴史