中野里 陽平社長が、32歳で築地玉寿司の経営を引き継いで13年となる。業績はリーマンショックで一時ダウンしたものの、その後持ち直し、今や年商45億。全月黒字経営を維持するほか、自己資本利益率も優良企業とされる40%を超えるなど、ビジネスは好調そのものだ。
「上場しているわけではないので、手堅い経営を心掛けています。売上以上に、適正利益を出しているかをポイントにしているのもそのためです。出店数も現在は1年に1店舗程度に留めています。特に出店計画を立てているわけでもありません。ただ、お話を頂いた時に対応できる体力づくりだけではしているつもりです」(中野里社長)
「まずは、厨房はしっかりと造りこみます。目線の高さも大切ですね。お客様に圧迫感があっては良くありません。また、安っぽい店にしたくないので、カウンターにも気を遣いますし、器もこれはというものを使うようにしています」と中野里社長は力説する。
加えて、人材育成にも中野里社長は熱心で、2017年には長年の念願であった玉寿司大学を開校。寿司職人を育てていく基盤を作り上げている。