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ロハスの成長に貢献するためにファンドから転身代表取締役として手腕を発揮する / 注目ベンチャーインタビュー後編株式会社ロハスインターナショナル
代表取締役CEO 伊藤公健

  • feedy

外資・金融のプロが着目したロハスのポテンシャル

実は、伊藤CEOはロハスの生え抜きではない。大学卒業後、マッキンゼーやベインキャピタルなどのコンサルファーム/PEファンドを経て、フィールドマネージメントに入社。同社で日本で初めてサーチファンドを自ら立ち上げ、その第1号投資として2014年にロハスにハンズオンで経営を支援をはじめた。

ロハスに着目した理由を、伊藤CEOはこう述べる。
「ロハスはヨガ業界の成長を牽引してきたパイオニア的リーダーであり、ブランド力がありますし、可能性がある会社だと思い投資しました。長期的に関わりたいと考えた理由は二つあります。一つは、成長ポテンシャルを見いだせること。非効率ではあるものの価値がある事業に真摯に取り組んでいる。10年、20年のスパンでやったら、物凄く伸びると感じました。もう一つは、多様な価値観を尊重する組織文化であったこと。実は、ロハスの社員の9割は女性なんです。今日、女性の活躍推進が叫ばれていますが、ロハスでは10年前から皆で知恵を出し合い、対応してきました。社員一人ひとりで大切なものが違います。働き方改革と言う点でも非常に先進的な会社だと実感しました」

伊藤氏は投資直後の2015年にロハスインターナショナルの取締役に就任。さらに、2017年ファンドからマネジメントバイアウトし代表取締役に就任している。

「ロハスの経営に役員として関わるなか、ここに100%コミットしようという想いが強くなっていきました。この会社のために役立つのであればと、CEO就任を引き受けることにしたのです」(伊藤CEO)

100億規模の企業を目指し成長戦略を始動

外資コンサル・金融畑を歩んできた伊藤氏が、ロハスで自らのキャリアをどう生かそうとしているのか。ビジネスにおける効率性と非効率性を踏まえ、いかにバランスを取りながら舵取りをしていくのかが気になる。

「ロハスの組織文化であるとか、丁寧な姿勢は今後も大切にしていきたいものの、ビジネスも両立すべきであると考えています。そのため、経営に関する数値はしっかりと見ていくつもりですし、言うべきことは遠慮なく言うつもりです。健全な収益ラインはキープしなければいけませんからね。そのため、時には創業者とも熱い議論を交わすこともあります」(伊藤CEO)

健全に成長していくために伊藤氏がCEOに就任して以来、始めたことがある。それが、社員80名余との個別面談だ。雑談を交えながら、「最近仕事はどうか」「会社に対してどう思っているか」「どういうキャリアを作っていきたいか」などを直接聞き出している。

「色々な声を聞けました。もちろん、会社としてできること、できないことがありますが、まずはそれぞれの意見に耳を傾けることが大切だと思っています」と伊藤CEOは、面談に対する手ごたえを感じている。

現在、ロハスの売上は17億(2016年度実績)。伊藤CEOは、その数字を100億規模に拡大させたいと思い描いている。既に、幾つかの施策が成長戦略の名のもと、2017年8月から始動している。

「数字ありきでは決してありません。ヨガをもっと広く捉え、ロハスがヨガ文化の中心にいれば数字は自ずと付いてくるはずです」と伊藤CEOは笑顔で語る。

企業理念にフィットしているかが、採用のポイント

最後に、ロハスの成長戦略を具現化していくために、伊藤CEOはどんな人材を求めているのかも質問してみた。

「求めているのは、『本来あるよさに目を向け尊重すること』というロハスの企業理念に共感いただける方です。簡単そうですが、実際に行うとなると意外と難しいんです。また、ロハスでは自立とコミュニケーションをキーワードとしています。その点からすると、自分で目標を立てて、自立して働ける方や多様な人たちとコミュニケーションできる方であってほしいと思います」

ロハスには学生時代のサークル的な雰囲気、ワイワイやりとりする企業風土が溢れている。社員一人ひとりにやらされ感がなく、皆で「これをやりたい」ということを協力しながらカタチにしているからであろう。ロハスならではの組織観も大きなやりがいとなることを痛感しました。

インタビュアー

株式会社トラフィックラボ
清水 彰人

ライター
袖山 俊夫