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今後は、他社との積極的なアライアンス戦略を推進新たな仕掛けでリユース市場の拡大を図る / 注目ベンチャーインタビュー後編株式会社ベクトル
代表取締役 村川智博

  • feedy

買取から物流まで、ワンストップで担える体制を構築

今後のベクトルの成長戦略について、村川社長はどう考えているのか。単刀直入に聞いた。

「ファッションメーカーやIT企業との積極的なアライアンスを図り、リユースビジネスを多角的に推進させていきたい。新しいサービスやプラットフォームも増やしていき、インフラ業で勝負したいと思っています。リサイクルショップを複数店舗運営する企業やセレクトショップにも、ベクトルのシステムを使ってもらえるよう働きかけているところです。」

ベクトルにとって強みとなるのは、物流拠点となる「ベクトルグローバルポート」の存在だ。これによって、膨大な数に及ぶファッションアイテムをワンストップで査定から買取、出品までできる体制を構築した。しかも、村川社長は今後は中古にだけこだわるつもりはないという。

「新品商材を取り扱うアパレル業界では、商品の在庫が何%か余ることを計算した上で生産しています。その余った商材をベクトルのインフラを使って売っていきたい。新品から中古までをワンストップで請け負いますという形で連携のシステムをご提案しています」

上場後にはM&Aも。尖ったブランドがターゲット

また、マルチチャネル戦略をさらに加速させていきたいという想いも持っている。
「ベクトルがまだ連携していない他社プラットファームの良いところも積極的に利用していきたい。とにかく、色々なプラットフォームを活用したいと思っています。その点も、リサイクルショップやセレクトショップにはアピールしていくつもりです」(村川社長)

さらには、上場後にはアパレルメーカーのM&Aも考えているという。「想定しているのは、少し尖がったブランドを取り扱う中小企業をターゲットにしたい」と村川社長は目論んでいる。

いずれにせよ、この数年でベクトルは戦略を大きく転換させてきた。それだけ時代も変わってきたという証であるのは間違いない。時代が要求する体制が構築できているからこそ、ベクトルはアライアンスを積極的に進めているといえよう。

業務の役割分担が不可欠に。多様多様な人材を迎え入れたい

村川智博 ベクトル murakawa tomohiro vector

ベクトルが今求める人材像についても村川社長に聞いた。
「特に一つの型にはめるつもりはありません。それぞれ考え方は違っていても良い。多種多様な方と一緒に仕事をしたいと思っています。これが正解なんてないですね」

その背景には、今後は社員の役割分担を明確化していきたいという想いが村川社長にはある。
「例えば、現状は店舗で買取り、インターネットに掲載し、入金確認メールを発信するところまですべて担っているが、これからはお店は買取り、出品はコールセンターと業務を区分けしていきたい。当然ながら、それぞれで求められる人材像も変わってきます」と語る。

インタビュアー

株式会社KSG
眞藤 健一
株式会社トラフィックラボ
清水 彰人

ライター
袖山 俊夫