「その時に海外に住む先輩の家を泊まり歩いていたんです。そうしたら、みなさんすごく生活を楽しんでいて、『壁を塗ってみたんだけど、どう?』『机をこんな風にしてみたんだ』と言われました。同じことがフランスでも、イギリスでもあって、みなさん少しづつ家に工夫しているんです。その後、日本に帰ってきて、誰かの家にいってみると、家の話がでないんです。理由を考えてみたら、新築と中古の違いだと気づきました」
これらの経験から、山下氏は転職を考えたが自分の思想にマッチした会社が見つからず、自分でリノベる社を立ち上げるに至ったそうだ。
「これまで三井物産や東急など日本を代表する企業に出資していただいて、昨年11月にはNTT都市開発とも提携を行いました。NTT都市開発は日本を代表する”大家さん”とも言える存在で、8000棟をこえる不動産を保有しています。」
NTTグループは電話局などの関係で、条件の良い場所に堅牢な建物を所持しているが、近年の技術発展で機械設備が小型化し、部屋や用地に余裕が生まれはじめているという。それらの不動産に対してリノベる社はNTTグループと共にリノベーションやコンバージョンによる利活用を推進していく予定だ。
「NTTグループは興味深い物件をたくさん保有しています。住まいの領域で日本は評価されることも増えてきたましたが、日本の街自体は寂しくなっていると感じています。どこを見ても、同じような建物や景色が広がり、特徴に欠けていて、街の魅力がなくなっていっています。NTTグループの不動産をリノベーションを通して活用することで、街、地域の魅力づくりにつなげていきたいと考えています」
資金調達や提携を受けて、今後はどのように事業を進めていくのだろうか。
「数字のマイルストーンでいくと1万件という数字があります。1万件とは新築を含めて日本で住宅を供給する会社のトップを意味します。そこに2025年を目処に到達することが目標です。その前段階に1000件という数字がありまして、これは2020年度の達成を目指しています。1000件と1万件が今後のマイルストーンです」
会社名:リノべる株式会社
代表:代表取締役 山下 智弘
コーポレートサイトURL:https://renoveru.co.jp/
「リノベる。」サービスサイトURL: https://www.renoveru.jp/
インタビュー・執筆・撮影
塚田愼一