販路はネット通販に加えて、百貨店や美容室も開拓した。当面の売上目標は2年後に25億円、2020年に100億円を掲げ、その手段として3つの事業を展開している。
第一に、同社の商品販売と足湯体験を提供する「おおいた温泉座」の全国展開である。2015年12月に東京・浅草の商業施設「まるごとにっぽん」に直営店「おおいた温泉座」を出店したところ、複数の百貨店や商業施設から出店要請が相次いでいる。
濱田氏は「リラクゼーション、治療、美容、健康の実用化を発信するこの事業では、インバウンド需要を開拓する」と意欲を示す。足湯というアミューズメントと物販の融合した新たなビジネスモデルは非常に大きな反響を生んでおり、今後は店舗を拡大し、全国展開、フランチャイズ展開も視野に入れている。
第二に、東京オリンピックを視野に入れたアスリート向けの商品開発である。すでに別府競輪に関わる選手たちに、「温泉藻類®RG92」を応用した抗炎症作用のあるマルチアクティブローションを贈呈しているが、さらに商品開発を進める計画だ。
そして第三に、医療分野への進出である。「温泉藻類®RG92」の発明の名称には「炎症性疾患の治療・予防薬」と記載されているが、新薬の原料開発も構想している。
1985年生まれの濱田氏は、2016年2月に31歳になる。まだ31歳である。伸び代の大きい年齢に加え、目力が強く、話のリズムが良く、語気に力がみなぎっている。事業方針に現われているように、思考も重層的だ。これらは、紆余曲折を乗り越えて飛躍する経営者に共通した特性である。