在りたい自分を生きる、そのトップランナーでありたい

株式会社LUMIERE

代表取締役

長谷川エレナ朋美

×

VentureTimes

編集部

株式会社LUMIERE 長谷川エレナ朋美 インタビュー画像1
01

30歳で遭遇した人生の転機、すべてをリセットする

自分に正直でありたい。そのポリシーをずっと貫いてきた。都会への憧れから高校を中退し、地元を飛び出してきた。もともと、ファッションが大好き。「どうせ働くなら一番有名な場所で」と考え、ティーンエイジャーの聖地・SHIBUYA109に勤務。カリスマ店員として活躍した。

「漠然と何かをやりたいという想いがありました。起業したいというよりも、誰かの下で指示されて働きたくないという気持ちが強かったですね。決められたことをするよりも、自分が本当に良いと思えるものを人に勧めたかった。それなら、自分でビジネスをするしかないと考えました」

ファッション業界で3年経験した後、22歳で個人事業として西新宿で美容サロンをスタートさせる。美容は自分も好きだったし、一生飽きずに続けられると思ったからだ。その後、白金にお店をオープンさせるにあたり法人化を決意し、2007年に株式会社LUMIEREを設立。事業が軌道に乗り、店舗やスタッフの数は一気に拡大し、最終的には都内に5店舗、福岡に1店舗を構えるまでに広がった。

「従業員や店舗の数が増えましたが、それを意図していたわけではありません。あくまでも、誰かに喜んでもらえると自分も嬉しくなるからという気持ちで取り組んでいました」

だが、30歳を迎えてまもなくのタイミングで人生の転機を迎えることになる。最愛のパートナーである夫を亡くしてしまったのだ。あまりにも大きな衝撃。生きる力さえ湧いてこないほどのショックを受けた。「自分が今までやってきたことを一度リセットしよう」と、経営していた美容サロンを一年ほど掛けてすべて手放した。

「その時に、これからの人生で自分が本当にやりたいことは何だろうかと考えました。今あるものを持ちながら、次の新しいことに挑もうとすると、今あるキャパの中でしか考えなければいけません。一旦リセットしたら本当にゼロベースで何がしたいかが分かるのではないかと思い、勇気を持って踏み切ったんです」

30歳の転機から2年間は、毎月世界のどこかしらを一人で旅しながら自分を見つめ直したり、旅先で仕事もした。行く場所、行く場所で自分の概念が覆される感覚がとても面白かったからだ。特にお気に入りのモナコをはじめとするヨーロッパ各国やアメリカ、オーストラリア、アジア諸国には幾度となく足を運んだ。現地の人々と交流を重ねるなかで、その地がまるで自分のもう一つのホームタウンのように感じられ、乾いた心も徐々に潤されていった。同時に、その時に得た気付きをメッセージとして良く発信していた。

「海外で気付いたことを、ある意味自分が翻訳して伝えるのが楽しかったですね。特に着目したのは、欧米諸国の人たちの枠に捉われない自由な生き方、働き方、考え方でした。海外ではそうしたインスピレーションを得る機会が多いですから」

株式会社LUMIERE 長谷川エレナ朋美 インタビュー画像2
02

海外で得た気付きを体系化、豊かに生きるための資格制度を構築する

休みが少しでもできると海外に行くという生活を20歳の頃から続けていくなかで、自分が得た多くの気づきを体系化し、「自分を知って自分を活かし、自分を表現することで人や社会と上手につながる方法をトータルに学べる場所を作ろうと思い、2015年にビューティーライフアカデミーを開校する。

「学校ではあまり教えてくれないけれど、現代社会を豊かに生きる上で必要なことが沢山あります。それらを学ぶアカデミーにしたかったのです。自分自身との向き合い方や、健康や環境、スピリチュアルなこともそうです」

多くの反響を呼び、2年後からはフランチャイズを展開。全国に10校を数えるほどとなった。アカデミーを続けている中で、彼女が伝えたいことが幾つかに分かれていった。その中で資格制度として3つの基盤を作り上げている。

ベースはアカデミーだが、さらに2019年には心と体をリセットし自分自身の片づけを行うセルフリトリートインストラクター、人生をタイムマネジメントするビューティライフダイアリー/手帳アドバイザーを育成する資格制度も構築。こちらも全国及び海外でのフランチャイズ展開を進めている。

「セルフリトリートとは、フィジカルやマインド、人間関係、時間管理、住環境など、自分の身の回りを一旦整理する仕方を教えています。ビューティライフダイアリーは、自分の人生プランニングや日々のタイムマネジメントを行い、効率的な過ごし方や自分の夢を実現していくための手帳です。どう使いこなしていくか、なりたい自分になって夢の人生を手に入れる方法を指導しています」

他にも、活動範囲は実に幅広い。10年前から運営している、自分で自分をマネジメントするためのグッズ全般を扱うオンラインショップ、国内外での13冊の書籍の出版、500名余の会員を擁するオンラインサロンの展開に加えて、近年は教育や環境をテーマとした講演会やシンポジウムの企画・プロデュースも手掛けているという。

「私が得意なのは仕組みづくりとコミュニティづくり、そしてブランディングです。そこを作り上げるまでは本当に仕事ばかりしていた時期がありました。人生の短期でやると決めたことができた今は、だいぶ余裕があります。優秀なスタッフや講師が育成できたおかげだと思っています」

株式会社LUMIERE 長谷川エレナ朋美 インタビュー画像3
03

葉山を舞台に価値ある循環を創り上げていきたい

活動の拠点は、4年半前に東京から葉山へと移した。窓から相模湾や富士山を眺めるロケーションで、新たな生き方やライフスタイルのエッセンスを発信していくのが、今の彼女の日課となっている。

「もともと実家も自然が豊かな場所。自分のルーツに戻ったという感じです」

経営者となって17年。走り続けてきた彼女が心がけていることがある。それは、循環を創ることだ。

「自分が海外で得たこと、自分が好きで学んだことをかみ砕いて人に伝えることをずっと自分の仕事にして来ました。そこで得られた利益も、次の誰かに影響できる何かに投資をしています。その循環がどんどん大きくなってきたというイメージです。そこが、私の根っこの部分と言って良いでしょう」

経営者としての自分を振り返り、大きく成長させることができたと感じられる出来事は何であったかも聞いてみた。

「すべての失敗からも学び、それらをステップにしてきました。決定的という意味では、パートナーを亡くしたことと、フランチャイズ展開をしたことです。もはや、私の発言・行動は私だけのものではありません。私に続いていただける人たちの未来を良くも悪くも左右するので、いい意味で責任を感じています。それだけ期待や信頼、注目もされているということで、意識が変わってきました。若い頃は自己実現のために頑張っていましたが、今は私に続く人たちや社会のためにより良い未来を創りたいと思い、日々動いています。それが最大の原動力ですね。」

そんな彼女がロールモデルとして意識しているのが、世界的ベストセラーである「アナスタシア(響きわたるシベリア杉シリーズ)」に登場する森の美女・アナスタシアだ。教育や環境も含めて新しい未来型の仕組みを作り上げていく姿に共感している。自分自身も、そうした存在になりたいという強い憧れがあるのであろう。

座右の銘も、彼女らしさが伝わってくる。ガンジーの名言、『世界に変化を望むなら、自らがその変化となれ』がそれだという。

「この世界が嫌だなと嘆くだけでなくて、何かを変えたいと思ったら、まず自らが変わる。誰かがやるのを待つのではなく、自分から始めようという意味で捉えています」

ならば、彼女が次にどんな変化を望んでいるのであろうか。最後に聞いてみた。

「長期的なプランとしては、環境と教育です。具体的には、リアルに学べる学校を作りたいんです。里山のような大きな土地を購入して、一緒に畑を耕し、作物を育てて行く。自然を体感しながら、自然環境のこと・道徳的なこと・健康のこと・人や自分とのコミュニケーションの方法・そして、子供たちが自己肯定感を高めていける施設を作るのが、10年以内の目標です」

起業家や作家に留まらず、未来社会の仕組みをも創り出そうとしている彼女のチャレンジはまだまだ続きそうだ。

  • feedy
  1. TOP>
  2. 社長・代表 取材・インタビュー>
  3. 対談
  4. 在りたい自分を生きる、そのトップランナーでありたい