「これからの企業は社員に選ばれる企業にならなければならない。労働市場に適応できる企業にならなければならない。一般に企業は商品市場に向き合っているが、経済のソフト化・サービス化によって、人材に備わっているアイデアとか、ホスピタリティーとか、モチベーションなどが、商品市場での勝ち負けを決めるポイントになっている。これからは人材に選ばれる会社、つまりモチベーションカンパニーになろうと産業界に呼びかけ、それが受け入れられた。」
いかに革新的なビジネスモデルも、模倣や市況などで劣化する。人材に選ばれるかどうかが企業の盛衰に直結することは、とくに中小ベンチャー企業は嫌と言うほど経験している。この膨大なニーズに対して、同社が提供したソリューションの基幹技術は、設定した上位概念と同じくモチベーションエンジニアリングとネーミングされた。
モチベーションエンジニアリングは社会学、行動経済学、経営学、心理学などを統合して開発した独自の技術で、個人や組織のモチベーション状態を可視化・指標化する診断技術、その診断結果に基づいてソリューションを提供する変革技術で構成されている。モチベーションエンジニアリングによって開発された商品は50アイテムを超え、導入先は、年間数億円の取引をする各業界のトップ企業から、取引額50~60万円のベンチャー企業まで多岐にわたる。
経済ジャーナリスト
小野 貴史