同社はPR・IR支援事業から派生させて投資事業も展開し、子会社でニュースリリース配信のPRTIMESが16年3月31日に東証マザーズに、投資先のエボラブルアジアが、同じく3月31日に東証マザーズに上場した。現在の投資先は40社ほどで、毎日1~2件の投資案件が持ち込まれるという。投資対象先にはIPOが視野に入った段階が多く、西江氏が直に証券会社との付き合い方などを伝授している。
「証券会社と発行会社の関係には利益相反の側面もあるが、経験がないとわからない。私は当社の上場経験やIR支援事業から適切な方法をわかっているので『その問題なら証券会社ではなく、東京証券取引所に相談しなさい』と教えることもある」。
グループ会社から10社のIPOを果たし、投資先は100社に拡大する計画である。すでにIPOのスケジュールが見えた投資先も、数社あるようだ。
17年2月期の業績見通しは8期連続の増収増益で、売上高120億円(23・9%増)、営業利益21億1000万円(30・4%)、経常利益20億円(32・8%)、当期純利益11億円(30・8%)を見込んでいる。PR事業を年30%ペースで伸ばし、新規事業とM&Aを強化して、2020年にグループ営業利益100億円をめざす。
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7期連続増収増益で確立したPRモデルは「コミュニケーションテクノロジーファーム」 | 『熱中の肖像』株式会社ベクトル 西江肇司社長 前編
経済ジャーナリスト
小野 貴史