過去4年の「skyticket」の予約申込数を振り返ると、2013年6月に10万6000件だった。以降、15万2000件、28万8000件、64万件と勢い良く伸び続けている。この勢いを導いたのがツイッター、フェイスブック、ライン、インスタグラムなどの活用で、「skyticket」アプリは通算100万ダウンロードを突破した。
SNS活用の核は解析力である。解析ツールを駆使して商品別に入金率、粗利益率、リピート率などを分析するだけでなく、サイトもデザインを微妙に修正しながら申込率を解析し、あるいはタレントの顔写真掲載の有無による申込率の差異を解析している。中村氏は「うちが取り組んでいる解析作業は、米国企業では当たり前に浸透しています。日本でもコンビニエンスストアがそうであるように、どんな業界でも成長を続けている企業は解析に力を入れています」と強調する。
アドベンチャーがめざすのは「地球最大の予約プラットフォーム」である。新サービスとして高速バス、カーシェアリング、クルーズ、遊休施設、ホテル、レストラン、ゴルフ場などの予約も検討中だ。当面の業績目標は、2020年に取扱高500億円を達成させること。その後はM&Aにも着手して事業規模を拡大し、2030年に取扱高1兆円をめざすという。
また、「2006年、ムハマド・ユヌスがマイクロクレジットによりノーベル平和賞を受賞し、ソーシャルビジネスで社会に貢献していることにとても感銘を受けました。これからはグローバルオンライン旅行会社としてだけではなく、社会的企業として、通常の企業では検討しないような事業でイノベーションを起こし、世界的なソーシャルビジネス企業としてアドベンチャーを拡大したい。」と中村氏は語る。
経済ジャーナリスト
小野 貴史