第二が、「たまごサブスクリプション」である。システムは「たまごリピート」と同様だが、野菜、パン、スイーツなど売れ残れると廃棄を余儀なくされる商品にフォーカスしている点が特徴だ。廃棄コストを減少させるとともに、利益率の向上をサポートし、継続的な収益を実現していくサービスといえる。「ターゲットとなる分野は、ストックビジネス化への情報やノウハウも少ないだけに、『テモナ』がコンサルティングで入る領域が大きい」と佐川社長は、指摘する。
第三が、顧客の購買履歴や行動履歴をベースに、Webサイトの見せ方をパーソナライズするツール「ヒキアゲ―ル」だ。ビッグデータを解析して、一人ひとりに興味がある最適な画面を表示し、購買率を格段に高めている。
「いずれも、ベースにあるのは、『テモナ』が創業以来、顧客からの様々なリクエストに応えフィードバックを返したり、それらを実現したりと、9年間ずっとラリーを繰り返してきたという経験値であり、情報です。顧客と一緒に育ってきたというのがかなり大きいと言えます。コンサルティングセミナーや個別相談会、事業者同士のワークショップが活発なのも、顧客との強い絆があるからこそです」(佐川社長)
折しも、2017年度第2四半期の決算も発表されたが、売上・利益ともに引き続き好調だ。もともと、積み上げビジネスで、顧客も一貫して純増傾向にあるが、「まずは、良い形で折り返すことができた」と佐川社長は手応えを感じている。
ライター
袖山 俊夫