1. TOP>
  2. 社長・代表 取材・インタビュー>
  3. 熱中の肖像
  4. 目指すは、リピートECのNo.1ソリューションプロバイダ。それ以外のゴールはない。 | 『熱中の肖像』 テモナ株式会社 佐川隼人社長 インタビュー後編

目指すは、リピートECのNo.1ソリューションプロバイダ。それ以外のゴールはない。 / 熱中の肖像インタビュー後編テモナ株式会社
代表取締役社長 佐川隼人

  • feedy

経営者として自問自答を繰り返すなか、理念の大切さに気付く

上場を無事果たしたばかりか、安定成長を続ける『テモナ』の佐川社長。周囲から見れば、サクセスストーリーの具現者の一人に映るが、実はここに至るまでには挫折を含め、さまざまなドラマがあったという。

「経営者になることを夢見て、幾度となく創業にチャレンジしました。『テモナ』は4度目の起業だったんです。沢山の失敗を経験したことで、経営に必要な胆力が身に付きました」

『テモナ』を創業した経緯は、前の会社でお付き合いのあったベンチャーの社長からの「もう一度やり直す気持ちがあるなら協力したい」というエール。その言葉を頼りに、レンタカーに家財道具を積み込み、友人と上京したところから始まった。創業当初は、佐川社長と社員2名。業務もシステムの受託開発だけを行っていた。

ただ、しばらくその事業を続けるなかで、「システムの受託開発は、いわゆる完全な労働集約のビジネス。手を止めると収益が一切入ってこない、レバレッジが効かないビジネス。このままこの会社をスケールしていくのは難しいのではと、すごくリスクを感じました」と佐川社長は振り返る。

ならば、どういう形がありえるのかと日々悩んでいた時に行き着いたキーワードが、「リピート」であり、「ストック型のビジネスモデル」。具体的には、自社サービスをクラウドで月額課金で提供し、ユーザーを増やしていくアイデアが浮かんだ。幸運だったのは、その構想をITで具現化する、運命的な出会いが訪れたことだ。

「サプリメントを販売されているお客様から、ECサイトを構築するチャンスをいただけたんです。そこで得たノウハウやシステムをベースに開発したのが『たまごリピート』でした」(佐川社長)

もちろん、最初から完璧なサービスであったわけではない。どうしたら、お客様のビジネスを“てもなく”する(=便利にする)ことができるかを追求し、改善を繰り返してきている。

「最大のターニングポイントは、2013年から2014年でした。『たまごリピート』が多くのお客様に利用され、会社も順風満帆の成長期に入った頃です。そのタイミングは、本当に好事魔多でした。どうすれば良いのかと自問自答してばかり。おかげで、自分の生涯を賭けてストックビジネスにコミットしていこうというところまで想いが醸成されましたし、強い決意を持って経営をすることができました。これがなかったら、上場ゴールになるリスクがありました」と佐川社長は振り返る。

上位顧客の攻略と食品領域の開拓が大きなポイント。積極的な投資を続ける

そんな佐川社長が、思い描く今後の展望が二つある。一つは、年商10億円以上の上位顧客の攻略。課題となるのは、顧客からの「システムをカスタマイズしたい」という要求にどう応えるかだ。カスタマイズを受け入れてしまうと再び労働集約ビジネスに逆戻りになってしまうだけに、いかに自分たちの利益体質を変えずに顧客のニーズを実現していくか。パートナーとのアライアンスも含めて検討を重ねている。

もう一つが、新たな市場の開拓だ。現在、『テモナ』の顧客の多くは健康食品の事業者。そこで培ってきたノウハウや仕組みをベースに、成長余地の大きな食品領域の支援をさらに広げていきたいと目論んでいる。

「直近では、『たまごリピートNext(ネクスト)』を開発中です。これは、その名の通り『たまごリピート』の性能を格段にアップさせ、新領域や売上規模の大きな事業者にも対応できるようになっています。この販売を皮切りに、新市場に向けて本格的に展開していきたいと考えています」と佐川社長は意気込みを語る。

それらをやり切り、最終的には日本一のECソリューションプロバイダになることを目指す『テモナ』。佐川社長の挑戦はまだまだ尽きない。

目標達成に向けて人材確保は不可欠。理念を共有できる方を求めたい

そうした事業戦略を推進していくためには、優秀な人材の確保が不可欠となるのは言うまでもない。「中心になるのは、新卒採用です。採用コストと得られる成果・利益のバランスを図りながら、一人でも多く確保したいものです。求めているのは、世の中をストックビジネス化させていくことに興味を持てる方、素直な方、ビジネスの勉強をしっかりできる方、初動の早い方。一緒になって沢山の会社を成長させていきたい」と佐川社長は呼びかけている。

インタビュアー

株式会社トラフィックラボ
清水 彰人

ライター
袖山 俊夫