だが、組織文化の形成で各施策と同等に、あるいはそれ以上に問われるのは採用である。宇佐美氏が「経営で大切なのは入口である。若い経営者にもそう助言している」と述べるように、自社の成長発展に適した人材をいかにして採用できるか。
その手段のひとつにVOYAGEが実施しているのはインターンシップで、1日、1週間、2週間、土日など5つのコースを設け、約300人を受け入れている。IT業界の様子だけでなく、社員の言動や社会の空気感から、自分との相性などを考察してもらう。
VOYAGEは自社をIT企業でなく「人を軸とした事業開発会社」と定義し、現在はグループ12社を設立してる。2015年9月期の通期売上高は、「fluct」の導入媒体数が同9月末現在で7000を超えるなどアドテクノロジー事業の好調を受け、前年比16.5%増の177億3000万円、経常利益は11.7%増の21億8900万円を計上。2016年9月期の業績予想はレンジ形式で売上高185億~205億円(前期比4.3増~15.6%増)、経常利益20億~24億円(同8.6%減~9.6%増)と開示している。
宇佐美氏はM&Aも視野に入れ、ITをベースにした総合商社へと業態を進化させてゆく方針である。