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  4. 売上構成比は外食53%、食料品販売47% 商品開発の強みは外食446店舗のマーケティング | 『熱中の肖像』vol.18 イートアンド 文野直樹社長 前編

売上構成比は外食53%、食料品販売47%商品開発の強みは外食446店舗のマーケティング / 熱中の肖像インタビュー前編イートアンド株式会社
代表取締役社長 文野 直樹

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勝てる土俵として食品製造業を選択した

売上構成比は外食53%、食料品販売47%。「大阪王将」「よってこや」「太陽のトマト麺」などを展開するイートアンドは、外食と食料品販売の2つの事業を展開するが、立ち位置は食品製造業である。食品製造業の出口として外食事業を位置づけているのだ。証券コードも「サービス」ではなく「食品」に業種分類されている。

同社は安定的な業態開発力を持続しているが、業種の設定には意外な意図が潜んでいた。

自社工場を開設して食料品販売に注力してきたのは、じつは業態開発の土俵で勝負することに不安があったからだという。社長の文野直樹氏は打ち明ける。

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「例えば際コーポレーションの中島武社長やゼットンの稲本健一社長はスーパークリエイティブで、業態開発の天才だと思う。こうした天才と同じ土俵に立っても太刀打ちできない。自分たちが勝てる土俵はどこかを検討した結果、食品メーカーという立ち位置を定めた」。

メーカーにとって利益の源泉は工場の稼働率向上だが、それを導く出口が446店舗の飲食店(2015年9月末)と生活協同組合、さらに量販店である。業態開発も餃子やラーメンなどの商品カテゴリーに沿うなど、視点を工場の稼働率向上に置いている。BtoBとBtoCを組み合わせたビジネスモデルは川下を包含した。文野氏は「食の外部化にすべて対応できているのは、当社ぐらいではないのか」という。

強みは446店舗でのリアルなマーケティング

イートアンドが製造販売する冷凍食品は約30アイテム(協力工場を含めると約150アイテム)で、食品メーカーとしては後発である。既存メーカーに対する競争力を何に見出しているのか。ここでもビジネスモデルを有効に活用している。

通常、メーカーの販売対象は卸売業者のバイヤーであり、消費者との接点を持っていない。一方、イートアンドは外食事業を通じて、店舗での売れ筋や来店客の食べ方の把握など、リアルな消費者マーケティングを実施できるのだ。この利点を活かしたヒット商品に「羽根つき餃子」がある。「油・水いらず」で人気のこの商品は、約1年半をかけて開発された。

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「冷凍の羽根つき餃子そのものは珍しくないが、当社の商品はあくまで飲食店のクオリティを追及している。製造ラインの技術も革新して、冷凍商品だからこそ可能な技を取り入れた」(文野氏)。

外食事業の展開はブランディングにも利点を生んだ。既存メーカーの商品名には会社名が使用されるケースが多いが、イートアンドは店名の「大阪王将」を使用することで、店の臨場感を醸し出せる。

冷凍商品の開発には、2013年より女性の商品開発チームを編成し、朝食用の水餃子や機能性素材を使ったダイエットサポート水餃子などが開発されており、今後も引き続き「食品メーカーとしてクリエイティブな提案をしていく」と文野氏は抱負を示す。
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インタビュアー

株式会社KSG
眞藤 健一