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ロックオン、ブロックチェーン技術(テックビューロ提供)のeコマースへの応用にむけて、第一段階の検証を完了

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ロックオン【3690】はテックビューロが提供するブロックチェーン技術「mijin」を利用したeコマース用受注エンジンの、第一段階の技術検証を完了したと発表した。

eコマースにおけるブロックチェーン技術の活用はロックオンが独自の取り組みとして国内でも先駆けて実証実験を行っている。本eコマース用受注エンジンは現在ロックオンが提供する日本No.1EC構築オープンソース「EC-CUBE」の最新版である3系において、ポイント管理部分をmijinプラグインとして動作させる形で、2016年4月、動作検証を実施した。その結果、当初想定していた高負荷での有用性に加えて、複数ECシステムからのセキュアでリアルタイムな情報更新が可能であり、これからのオムニチャネルEC時代でのインフラ基盤になり得る技術である基礎的な確認を終えることができたとしている。
本実証実験は、次に受注・会員管理への拡張を目指して、更なる開発と検証を実施する。次回の実証実験報告は、2016年6月末を目処に行う予定。

■検証の状況報告とブロックチェーン技術のECへの高い親和性

近年、フィンテックの分野でも注目を集めるプライベート・ブロックチェーン技術は、「消えない」「改ざんできない」「ゼロダウンタイム」といった特性を持ち、汎用的用途に利用できることが期待されている。本開発検証では、テックビューロが有する国内唯一のプライベート・ブロックチェーン技術「mijin」を、ECサイトの受注エンジンに応用することで、画期的なECインフラ基盤構築への可能性を探るもの。

今回の実証実験を通して、本検証前に想定していたブロックチェーン技術のeコマースへの親和性は、より高い可能性があると考えるに至ったとしている。

■大規模ECサイトでの負荷コスト大幅軽減

ECサイトが成長する際に、問題となるのが受注の同時集中による機能の停止やWebサイト自体のダウンタイム。本来は販売機会であるはずの状況が、様々なボトルネックにより大きな機会損失を生むことが多々あった。しかし、従来の典型的なシステム構成では、ピーク時の秒間数十件の注文を滞りなく捌くためには年間数千万円ものコストが必要となり、結果的に多くの固定費が無駄になっていた。
その大きなボトルネックの一つが、在庫管理や受注部分を担うデータベースだった。ページ自体や画像ファイルについては、近年のCDNの発達により負荷の分散が比較的容易となったが、勘定データベースについては機器増強によるスループット向上が唯一の解決法だった。
そこで、秒間数百件の受注があるような大規模ECサイトにおいて、ゼロダウンタイムで運用が可能なインフラを構築するにあたり、本技術を応用することで大幅に構築・運用コストを軽減できると想定している。今回はポイント管理部分においてその有用性を確認することができた。今後は、受注や会員情報の管理において、更なる技術検証を進める予定。

■オムニチャネルECの画期的インフラ基盤として

近年、独自ECサイトとモール、更には企業の機関システムと連携するような大規模なECシステムも多くなった。
更に、リアル店舗とEC店舗との連携であるオムニチャネル対応が重要なテーマとなっており、受注情報、商品情報、顧客情報、ポイント情報、在庫情報等を異なるシステムで相互に連携する必要が出てきている。通常これら情報の相互連携には定期的なバッチ処理が適用されるため、双方に正しい情報が反映されるには5分以上のタイムラグが発生し、特にリアルタイム性が要求される在庫情報やポイント情報の更新遅延が問題となっていた。
今回、本検証において、複数の独立したシステムが任意に変更するポイント情報を、簡単かつセキュアにリアルタイムで共有する仕組みへの応用が可能であることが分かった。これは、昨今のオムニチャネルに代表される、リアル店舗やネット店舗といった「複数店舗」上で同時に情報を更新する仕組みに応用できるため、これからのオムニチャネルEC時代の最も適したインフラ基盤となり得ることを意味しているとしている。

■セキュアでリアルタイムにポイント情報の更新が可能であることを確認

もともとブロックチェーンには、二重払いを防止する機能と、内部データの改ざんを防止する機能、そしてデータの整合性を保つ勘定機能とが備わっている。また、それらの多くがソフトウェア内の暗号技術で完結しており、従来のデータベースやアプリケーションよりもより高いセキュリティ環境を実現することが可能。
これまでの実証実験により、「mijin」を「EC-CUBE」の勘定機能に応用し、ポイントの二重計上を自動的に防止し、それらデータの不整合を排除できる可能性が高いことが確認できた。これは、これからのオムニチャネル時代におけるECのインフラ基盤となり得ることを示しているとしている。

■ロックオンとテックビューロの今後の取り組み

本開発検証作業は2016年1月から開始し、2016年4月時点において、「mijin」と「EC-CUBE」との連携システムは完成した。今後、セキュリティや性能といった運用上の検証に加え、EC-CUBE以外のシステムとの連携処理を開発し、ECで利用できる汎用的なインフラ基盤を構築していく。
将来的にはロックオンより「EC-CUBE」における「mijin」利用パッケージを独占販売することや、ロックオンのソリューション事業部での、本技術を利用した大規模ECサイトやオムニチャネルEC構築の受注、更には本ECインフラ基盤の単体提供を視野に入れている。

なお、「mijin」は2016年夏にオープンソースとして公開予定であり、商用ライセンスの価格は年間数十万円程度を予定している。