文部科学省では、「教育の情報化ビジョン」をもとに2020年までに「児童・生徒一人一台の情報端末による教育の本格展開の検討・推進」を掲げている。また、政府から発表された「世界最先端IT国家創造宣言」でも学校の高速ブロードバンド接続や一人一台の情報端末配備が盛り込まれており、近年では教育のICT化が進んでいる。
関西大学初等部ではこのような流れを受け、児童の「思考力の育成」を独自のメソドロジーで体系化した「ミューズ学習」を設定している。「ミューズ学習」とは、「分類するためのXチャート」など6種類のシンキングツールを使い、思考の方法を体系的に学ぶもので、関西大学初等部では1年生からこれらのシンキングツールの使い方を学び、高学年になる頃には複数のツールを組み合わせて複雑な課題を解決できる力を身に付けることを目指している。教科等を含めた思考力育成につながるツールとして2014年10月に5年生より、現在5、6年生全児童に自分専用のiPadを導入している。
導入当初、授業の成果を自宅で見直す、自宅で調べたことを授業で発表するといったiPadの特性を活かした学習方式を実施する中で、極力児童には自由に使わせたいと考えていたものの、一方で、児童にiPadを一日中自由に使わせることに対して、保護者や一部の教師から懸念の声があがり、特に教育上望ましくないアプリケーションやコンテンツを児童が利用・閲覧してしまうリスクに対しては、制限をかける必要があった。
そこで、児童が使うすべてのiPadに、オプティムが開発・提供する4年連続国内シェアNo.1のMDMサービス「Optimal Biz」、デジタルアーツの「i-FILTER ブラウザー&クラウド」のOEM製品である「Optimal Biz Web Filtering Powered by i-FILTER」を導入いただきました。これにより、「Optimal Biz」では、児童が勝手にアプリをインストールできないように制限を加えて、利用できるアプリを管理することができ、「i-FILTER ブラウザー&クラウド」では、ブラックリスト方式のフィルタリングを行い、校内・校外を問わずインターネット上の危険なサイトをブロックすることが可能になった。
現在、関西大学初等部では、これらの製品を利用することで、児童たちが安心して学べるICT教育環境を用意しており、その中で児童たちはiPadを使って動画を作ったり、プレゼンテーションを行ったりと、活発な授業が行われている。同校では、今後も思考力育成を柱とする、「ミューズ学習」を推進していくツールとしてiPadを中心としたICT教育の取り組みを積極的に進める方針。