西伊豆町は、カツオやマグロの遠洋漁業の基地として栄える港町として有名だったが、少子高齢化や時代の流れと共に漁業の衰退が進み、現在の西伊豆町は観光に特化した産業形態となった。今後も若者が町に住み続けられる環境づくりや、町の特色を生かした産業づくりの観点から、漁業就労者の維持は大変重要で、漁業の賑わいを創出することが同町の課題となっている。今回のGCFのプロジェクトで集めた寄附金は、稚貝や稚魚の放流事業に使われる。このプロジェクトを通じて、漁獲量の増加だけでなく、同町の漁業活性化に伴う後継者の育成や釣り客の誘致を通じた宿泊客数の増加が期待される。今年4月、総務省よりお礼の品に関する通達が出されたことで、寄附金の使い道に対する関心が高まり、自治体には、ふるさと納税の趣旨や目的に沿った制度運用が求められている。これにより、ふるさと納税の市場は、「モノ」から「コト」(「お礼の品」から「寄附金の使い道」)にシフトしていくと予測されている。同社は、自治体が寄附金を集めるために、寄附金の使途を明確にすることが重要であると考えており、それに伴い、ふるさと納税の制度を活用したクラウドファンディング「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」によるプロジェクトの立ち上げが一般化されることが想定され、寄附者にとって寄附金の使途から応援したい自治体を選べる機会が増えると期待している。トラストバンクは今後も、本事業を通じて、ふるさと納税制度の趣旨や目的に沿った制度運用に注力するとともに、自治体が抱える課題や取り組みを積極的に支援することで、持続可能な社会の実現に貢献していく。