FIELD systemは、ファナックの現在のZDT(Zero Downtime)コネクテッド ロボット プロジェクトをさらに拡張させるもの。このプロジェクトにおいて、コネクテッド ロボットの数は、2016年末には6000台から10000台に達するものと見込まれている。ZDTは、シスコのクラウド、IoTデータ収集ソフトウェア、エンドツーエンドのセキュリティ機能から構成される。これら4社が連携し、産業用イーサネットスイッチを利用してロボットをCisco UCS(Unified Computing System)に接続することで自動車メーカー向けのシステムを実装する。システムはすべて、ファナックとシスコのZDTデータ収集ソフトウェア上で実行される。このシステムを導入する自動車業界のお客様は、製造ダウンタイムの大幅な短縮とさらなるコスト削減を、短期間のうちに実現することができるとしている。
インテリジェントな製造業
FIELD systemは、お客様とアプリケーション開発者が高度な機械学習と人工知能を活用することによって、製造業でのさらなる生産性向上と効率化をもたらす。ファナックとPreferred Networksは、バラ積みロボットの高度化、高精度な異常検知、故障予測などのアプリケーションにおいて新しい技術を確立した。FIELD systemは人工知能とエッジコンピューティング技術を組み合わせることで分散型機械学習(Distributed Machine Learning)を可能にする。機械から収集されたデータを、ネットワークのエッジでリアルタイムに処理することにより、機械がお互いに柔軟にかつ賢く協調し今までになかった高度な製造業を実現する。
■FIELD systemの詳細と各社の役割
ファナック:マシンの信頼性、品質、スピードの向上に必要な主要指標を追跡するためのセンサーが埋め込まれたCNCとロボットを提供。
ファナック、シスコ、Preferred Networks:シスコは、メッセージ ブローカー、セキュリティおよびアプリケーション ライフサイクル管理(ALM)アプリケーションを含むミドルウェア プラットフォームを提供。また、Preferred Networksのオープンなディープ ラーニング フレームワーク(Chainer)、IoT向けのストリーム エンジン(SensorBee)、さらにはDIMo(Deep Intelligence in-Motion)プラットフォーム内の高度な機械学習ライブラリを活用する。
シスコ、Rockwell Automation:CNC、ロボット、その他セル装置をFIELDアプリケーションに接続するためのネットワーキング、コンピューティング、セキュリティ インフラストラクチャを提供。そのすべてがRockwell Automationとシスコの共同開発によるConverged Plantwide Ethernet(CPwE)アーキテクチャ(セキュリティ、接続性、柔軟性、拡張性をさらに向上させます)をベースとし、単一の小規模セルから数百セルの大規模工場までの接続を可能にする。
ファナック、Rockwell Automation、Preferred Networks:FIELDミドルウェアおよびインフラストラクチャ プラットフォーム上で実行される初期アプリケーション ソフトウェアを提供。これは、現在導入されているLINK-iおよびZDTアプリケーション、およびファナックとPreferred Networksの協業によるディープ ラーニング技術を活用したアプリケーションを拡張するもの。迅速に導入できるよう、Rockwell Automationの製造業向けソフトウェア製品(FactoryTalk View、FactoryTalk VantagePoint、およびFactoryTalk Production Centerなど)はFIELD systemにシームレスに統合される予定。
■株式会社Preferred Networksについて
東京を拠点とし、Internet of Things (IoT)において深層学習を中心とした機械学習技術を用いたソリューションにフォーカスしているベンチャー企業。
機械学習技術の先進技術を提供するDeep Intelligence in-Motion(DIMo)プラットフォームをベースとしたソリューションの研究開発に取り組んでいる。
Preferred Networksは自動車業界や産業用ロボットにおいてそれぞれトヨタ自動車株式会社やファナック株式会社などの世界をリードする企業と協業し先進的な取り組みを推進している。