しかしながら、プロパティ事業に関しては、販売用不動産の仕入のための多額の借入がオウチーノの財務の健全化を阻害しており、さらにモンゴルでの不動産仕入における前渡金において債権の取立不能又は取立遅延のおそれが生じたことなどから、プロパティ事業の継続は困難と判断、平成29年3月末を目途に当該事業からの撤退を決定している。
また、住宅・不動産関連ポータル事業に関しては、収益力の確保及び中期的な企業価値の向上を実現するため、媒体の強化や新サービス開発を効率的に行うためのシステム環境整備等の施策を実施してきたものの、これら施策を推進する専門的知見・経験を備えた人材や指導者の不足やエンジニアの内製化、効率的なサイトの運用・開発のためのプラットフォームの構築に大幅な遅れが生じていることにより、収益の確保が難しい状況にある。
オウチーノは、平成26年12月期及び平成27年12月期の2期連続で当期純損失を計上し、再成長に向けた収益力の強化が喫緊の経営課題であると認識していた。
公開買付者においては、オウチーノ株式の取得に向けた検討を進めていたところ、今後、インターネットを利用した不動産取引は拡大すると思われ、ユーザー重視の姿勢を徹底した経営体制の構築や人材確保を図り、ユーザー利便性の高いサービスを開発・提供していくこと、また公開買付者が、大株主としての視点から対象者の事業活動を支援することが、オウチーノのガバナンス上も一定の効果が期待でき、ひいては同社の企業価値向上に資すると判断、議決権の過半数を取得する方法として、公開買付者による公開買付け並びに公開買付者を割当予定先とする第三者割当増資及び自己株式処分の実行を決定したもの。
なお、公開買付け後もオウチーノ株式の東証マザーズにおける上場は維持される方針。