同社の持つ世界唯一の量子ドット量産技術や、高度な半導体レーザー製造技術により、これまで半導体レーザーの課題であった細かい波長制御や熱変化への耐性等の解決が期待されており、シリコンフォトニクス※1や精密加工、検査装置などの用途において更なる革新が期待されている。
同社では、この半導体レーザー技術をアイウェアに応用することにより、網膜に直接映像を投影する「網膜走査型レーザアイウェア」を開発。「網膜走査型レーザアイウェア」は安全かつ微弱なレーザーで任意の網膜部位に直接映像を投影することにより、フリーフォーカス※2を実現し、屈折異常等への視力支援を実現する。これにより、従来のスマートグラスと比較し、映像を眼前の液晶パネル等に投影する必要が無いため眼精疲労や映像酔い等の課題解決や、水晶体などの前眼部や網膜に疾患を持つ視覚障害者による使用が見込まれる。世界に2.5億人と推計されるロービジョン(弱視)者も、この「網膜走査型レーザアイウェア」により視野の確保や拡大を行うことで、QOL(Quality Of Life)改善が期待される。
なお、この「網膜走査型レーザアイウェア」は、CEATEC JAPAN 2016において、最高賞に位置付けられる「経済産業大臣賞」に加え、米国メディアパネル・イノベーションアワードでもグランプリを受賞している。
今回リアルテックファンドは、QDレーザ社が第三者割当増資により発行する株式を引き受けることにより、網膜走査型レーザアイウェアの医療機器認証取得等に係る資金提供を行うとともに、販売・マーケティング活動等を支援していく。
※1 シリコンフォトニクス…シリコンに微細な光導波路(光の伝送路)をつくり、半導体レーザーなどの様々な機能を持つデバイスを集積する技術
※2 フリーフォーカス…映像を見る際に眼のピント合わせを必要としないこと