これまでの熱電発電モジュールがセラミックを基盤とした平面の形状であるのに対し、Eサーモ社が開発した熱電発電モジュール「フレキーナ」は、極薄で自在に湾曲可能な基板上に熱電素子を実装した構造であることから、工場プラント等の円筒状の配管パイプに対し、密着して装着することが可能。そのため、従来のセラミック基板型モジュールと比べて、約2~3倍の熱回収効率、約2倍の熱電変換効率を有しており、熱回収性と設置場所の汎用性という双方の点で優れている。IoT時代においては、生産工場やエネルギー施設における管理を各種のセンサーで監視する動きが広まると見込まれることから、このような施設におけるセンサーの電源をバッテリーや配線に頼らずに確保でき、メンテナンスコストも引き下げることが可能になる「フレキーナ」への潜在的需要は非常に大きいものと期待される。
なお同社では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)による平成28年度「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」助成事業(以下、STS)の採択を受け、プラント施設等に莫大に存在する300℃以下の低温排熱を、効率よく電気エネルギーに変換し回収する熱電発電モジュールの開発を進めている。
今回リアルテックファンドは、Eサーモ社が第三者割当増資により発行する株式を引き受けるとともに、NEDOのSTSにおける認定VCとして同社の研究開発や販売・マーケティング活動等を支援していく。