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日清紡ホールディングス、日本無線を買収

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日清紡ホールディングス株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:河田正也)及び日本無線株式会社(本社:東京都中野区 代表取締役社長:荒健次)は、5月15日両社の取締役会決議により、同社を株式交換完全親会社とし、日本無線を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決定し、両社の間で株式交換契約を締結したことを発表した。

日清紡ホールディングスは、1907 年(明治40年)に綿紡績専業メーカーとして創業した日清紡績を起源とし、その後、繊維に加え、ブレーキ、精密機器、化学品、エレクトロニクスといった事業の多角化を進め、近年では、環境破壊や地球温暖化等、人間社会が直面する課題にソリューションを提供し、安全で安心な暮らしに貢献する「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、企業価値の向上に日々邁進している。
一方、日本無線は、1915 年(大正4年)に匿名組合として創業した日本無線電信機製造所を起源とし、無線通信技術及び情報技術をベースに、マリンシステム事業(海上機器事業)、通信機器事業、ソリューション・特機事業、メカトロニクス・電源事業及び医用機器事業の各事業において独自技術を開発し、発展していく。

日清紡ホールディングスと日本無線とは、日本無線の戦後の経営困難期において、その経営の建て直しに日清紡績が大きく関わったことからその関係が始まり、2010年12月の日清紡ホールディングスによる日本無線の連結子会社化を通じて、その関係を深化させ、日本無線は、無線通信機器・情報機器総合製造業のパイオニアとして、日清紡ホールディングスのエレクトロニクス事業グループにおける中核的存在となっている。

2012年9月からは、日本無線を中心に、当時より日清紡ホールディングスの連結子会社である長野日本無線株式会社及び上田日本無線株式会社の主要3社で構成される日本無線グループの継続的な収益確保と更なる成長を果たすための強靭な経営体質構築、及び日本無線グループを含む日清紡ホールディングスのエレクトロニクス事業グループ全体の経営基盤強化に向け、日清紡ホールディングスの支援の下で、「成長戦略の遂行」と「グローバルレベルでのコスト構造改革」を基本方針とした「新たな成長に向けた事業構造改革」に取り組んできた。

具体的には、グローバルレベルでのコスト構造改革の一環として、日本無線グループの生産・技術開発拠点の再構築を目的に、日本無線の三鷹製作所の生産を長野日本無線、上田日本無線及び海外新工場に移転したほか、2014年12月には日本無線の生産・技術開発機能の主力を三鷹製作所から、日本無線グループの技術開発の中枢拠点として長野県長野市に新たに立ち上げた先端技術センターに移転するなど、日本無線グループの機能集約を進め、2016年3月には、事業構造改革を完遂し競争力ある事業基盤を創出するため、成長戦略を共有しスピードを上げて戦略遂行できる体制を構築するにあたり、当時より日清紡ホールディングスの連結子会社である長野日本無線及び上田日本無線を株式交換を通じて日本無線の完全子会社とし、資本関係も含めた事業再構築を進めてきた。

このように、日本無線を中心に日清紡ホールディングスのエレクトロニクス事業グループ全体で進めてきた事業構造改革は、9月で5年が経過することとなり、次のステージである成長戦略の加速度的な遂行へと歩みを進める段階にきている。

日本無線は、日清紡ホールディングス全面支援の下で、事業所の移転集約・人員合理化によるコスト構造改革を進め、インドネシア現地法人の設立など東南アジア展開の基盤整備も進めました。
成長戦略遂行の遅れにより国内官公需依存からの脱却が図れておらず、それが直近の業績不振の原因ともなっており、日本無線においては、新たな成長に向けた「ひとづくり改革」、「ものづくり改革」、「しくみづくり改革」に取り組んでいますが、グローバルレベルで構造改革を加速し、オートモーティブ事業等成長事業領域での事業拡大を図るには、日清紡ホールディングスとの事業運営の一体化により日清紡ホールディングスが有する経営資源やオートモーティブ関連事業のネットワーク等をフル活用できる体制を整備する必要がある。

このような認識の下、日清紡ホールディングスと日本無線は、以前より両社の協業体制に関する議論を行っていたが、1月に、日清紡ホールディングスより日本無線に対して株式交換による完全子会社化に向けての協議を申し入れ、本株式交換の検討を開始した。
その後、両社の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、日清紡ホールディングスは、日本無線を完全子会社とすることにより、迅速果断な意思決定の下、両社の一体的な事業運営を強化し、「成長戦略の遂行」及び「コスト構造改革」を加速させ、併せて「ガバナンスレベルの向上」を図ることが、日清紡ホールディングスのエレクトロニクス事業グループの中核的存在である日本無線の企業価値、更には日清紡ホールディングス全体の企業価値の向上のために最善であるとの結論に至った。