産業機械や半導体製造装置等のメカトロ製品では、製品を構成するモジュールへの電源供給やモジュール間の通信のために多数のケーブルが利用されている。昨今、こうした製品では、3D CADが設計で使われるようになってきたが、ケーブルは製品を構成する複数のモジュール間をつなぐ形で設計するため、3D CADでモデリングするにはデータが非常に重たくなるという問題がある。このためケーブル引き回しは実機を用いて検討するという企業が多く、問題発見のタイミングが遅れるため、製造段階で手戻りの原因や納期を短縮できないなど課題があった。今回、ラティスと図研が共同開発した軽量3次元データ「XVL」を用いて3D配策検討を行う「XVL Studio WR」は、製品3Dデータに、図研の電気設計CAD「E3.series」から回路情報等を継承することで、論理接続を考慮した直感的な配策設計・検討を実現する。実機がなくても、設計段階の3Dデータで配策経路検討ができるので、製造段階で発生する問題を未然に防ぐことができる。また、大容量3Dデータを軽快に扱うXVLの特長により、3D CAD操作に不慣れな生産技術・製造部門などでも簡単な操作で配策設計・検討を可能にする。ラティスは本製品を製造業に広く展開していく計画である。