これらの課題を解決するため、大規模ネットワークシステムで利用されているIP-CLOSといったネットワークデザインやテレメトリーを用いた運用方法が注目されている。
アプストラ社のAOS(Apstra Operating System)は、ベンダーに依存しないインテントベース・ネットワークシステムである。AOSは物理ネットワークデバイスを抽象化して、スイッチ製品に依存せずに、ユーザーが作りたいネットワークシステムをインテント(意図)に基づいて設計して、設定から運用までを自動で行うシステムである。従来の「選定したスイッチ製品の機能に合わせた設計」ではなく、「実現したいネットワークデザインを主軸にした設計」が可能である。
AOSでは、GUI上で、スイッチタイプ、ポート数、帯域を作成して結線することでネットワーク設計を行い、利用するスイッチ製品ごとにコンフィグレーション情報を生成して展開するまでを一元管理することができる。
これにより、スイッチ製品の技術習得や物理機器への設定作業が不要になり、設計にかかる時間や運用コストが削減でき、IP-CLOSなどの新しいネットワークデザインを容易に導入、運用することが可能になる。
また、スイッチからAOSに直接データが送られるため、各スイッチの状態を細かくモニタリングでき、障害発生時の発生ポイントの早期特定だけでなく、連続的な検証、スイッチやネットワークトラフィック状態のテレメトリーも可能である。