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リコー、オムロン、SMBCベンチャーキャピタル3社、テック系ベンチャーファンド設立

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リコーとオムロン、SMBCベンチャーキャピタルは、産業革新機構、三井住友銀行からのLP出資*を受け、テクノロジー系ベンチャーファンド「テックアクセル1号投資事業有限責任組合を設立すると発表した。
本ファンドは、技術シーズの事業化における高いハードルを越える為にベンチャー企業と事業会社が連携することで、グローバル市場で競争力のある有望なテクノロジー系ベンチャー企業を創出し、日本産業界の発展に寄与することを目的としている。

*LP出資:有限責任組合(LP)による出資

 

1.ファンド設立の背景

政府の成長戦略の一つとして「産業の新陳代謝の促進」が掲げられる中、大企業を呼び込み企業や研究機関に眠る資源を最大限に活用したベンチャーを育成する仕組みが求められている。しかしながら、日本の大企業がシード・アーリーステージのテックベンチャー企業と連携するには、ベンチャーの保有する技術や自社戦略との事業シナジーを見極めにくく、リスクも高いため、具体的な案件に結びついてないのが実態である。また独立系のベンチャーキャピタルにとってもインターネットサービス分野等とは異なり、テックベンチャー企業への投資は目利きが難しく、製品開発までに多様な技術と時間を必要とするため、投資は限定的なものにとどまっている。これらの側面もあり、日本ではテックベンチャー企業が不足しているという現状がある。一方、大企業もテックベンチャー企業を支援できるリソース(人材、技術、設備、生産ノウハウ、顧客接点等)は保有しているが、自前主義から脱却できず、また本社主導のコーポレートベンチャーキャピタルでは自社との事業シナジーに主眼が置かれるため、魅力的な技術を保有するシード・アーリーステージのテックベンチャー企業との連携が限定的に成らざるを得ないという問題点があった。

これまでベンチャー企業との連携により新規事業創出に取り組んでいたリコーとオムロンは、前述の問題意識を踏まえ、テックベンチャー企業に対して個社単体では成し得ない複数の事業会社のリソースをワンストップで提供できる技術事業化プラットフォームの創出を目指し、ベンチャー企業支援で実績のあるSMBCVCと共にSMBCとINCJの出資を受けて「テックアクセルファンド」を設立するに至った。

 

2.ファンドの運営

テックアクセルファンドの運営は、リコー、オムロン、SMBCVCの3社で新たに設立した「合同会社テックアクセルベンチャーズ」が行う。リコー、オムロンは、単なる”目利き力”に留まらず両社の新規事業開発部門が主体となり、研究/開発部門、生産部門が連携する事業会社の垣根を越えた取組みにより、技術シーズの事業化に向けたオープンイノベーション型支援を行っていく方針。また、今後も本取り組みに賛同する事業会社を出資者としてさらに募り、支援の質・幅を拡げることで、ベンチャー企業の支援強化を図っていく予定。加えて、SMBCの金融ソリューションノウハウやネットワークの活用支援、INCJの産学官のネットワーク活用を通じた活動支援など出資者との連携によりテックベンチャー企業を多面的にサポートしていくとしている。

 

3.ファンドの概要

(1)名称: 「テックアクセル1号投資事業有限責任組合」
(2)設立日: 平成28年3月1日(予定)
(3)規模: 50億円(1stクローズ)今後追加募集予定
(4)運営会社: 「合同会社テックアクセルベンチャーズ」(無限責任組合員:GP)
(5)出資者: INCJ、SMBC (有限責任組合:LP)
(6)投資対象: 産業構造の変革につながるイノベーション領域。主としてIoT・ビッグデータ、エレクトロニクス、情報通信等、関連分野で「テクロノジー」をベースとしたベンチャー企業