本実証実験のモニター募集、クーポンやキャンペーン情報の配信は、株式会社西日本シティ銀行、株式会社西鉄ストアがパートナーとして参画する。
本実証実験では、NTTデータが提供する「ビーコン活用サービス調査アプリ(以下、調査アプリ)」と小売店・量販店・専門店・駅などの各所および街中に設置されたビーコンを活用し、利用者の位置情報履歴から推察される顧客像との親和性が高いクーポンやキャンペーン情報などを、PUSH通知で自動配信する。unerryは、本実証実験において、ビーコンシェアネットワーク「Beacon Bank」を提供することで、調査アプリが街中のさまざまなビーコンと反応する仕組みと、それに基づいた顧客行動の可視化を実現している。
■今後について
今後、ビッグデータに基づくマーケットアプローチは、ますます多様に進化してゆくことが予想される。本実証実験のように、顧客行動を時系列で集計することで顧客の生活導線や趣味嗜好などの情報をマーケティングに活用するという手法を検討する際、場所と高さ(建物の階数)を計測することができるビーコンは、その特長を有効に発揮できると考えられるとしている。
日本の主要エリアを仔細にカバーしているビーコンネットワークである「Beacon Bank」を提供することで、自社で高精度なセンサーを展開することが難しい企業においても、顧客行動ビッグデータに基づいたマーケティング活動が可能となるという。
本実証実験では、ビーコンのIoT社会基盤としての有用性を検証すると同時に、今後4社が連携してビーコン位置情報分析サービスを事業化することを目指して課題の整理を行っていく方針。
■ビーコンについて
ビーコンとはBLE(Bluetooth Low Energy)デバイスの一種で、極めて少ない電力消費でスマートフォン等と連携できることが特徴です。ビーコンを場所やモノ等に設置すると、対応アプリがその電波圏内に入ったことを検知できるので、スマホアプリで場所やシーンに応じた情報やクーポンの配信などができるようになる。
グローバルにおけるビーコン利用の伸長は著しく2020年には4億台が出荷されると予測され、今年の見込みとしても、米国の小売業界上位100社売上の20%である400億ドルが、ビーコンメッセージをきっかけとしたものになる予測されている。ビーコンは近接マーケティングの主流として大きな役割を期待されている。
■ビーコンシェアによる近接マーケティングプラットフォーム「Beacon Bank」について
通常のビーコンの利用方法では、自社が設置したビーコンに対して自社のアプリが反応。そのため、自社がビーコンを設置した地点のみでしかサービス提供ができない。その結果、ビーコンを活用した施策は、サービス展開エリアや効果が非常に限定的となっていた。
その課題を解決するのがunerryの提供する、ビーコンシェアをベースとした近接マーケティングプラットフォーム「Beacon Bank」(https://beaconbank.jp/)。ビーコンを保有している各社が登録し、相互利用可能とすることで、自社では設置不可能な地点や数のビーコンを活用したサービス展開が可能となるという。また、他社からのビーコン利用により収益がもたらされるという新たなエコシステムを実現している。
■Beacon Bankの今後の展開について
さまざまな企業・サービスとの連携を推進することで、2020年までに200万個のビーコンの相互流通を支えるプラットフォームに成長させることにより、日本の近接マーケティングを牽引していく。
それを実現するために、2016年8月にはビーコン相互流通に必要な技術特許を取得。その技術の活用により、ネットワーク効果を利用した相互送客の仕組みや商圏全体を通じての行動分析・メッセージの最適配信が可能となる。
また、200万個のビーコンという一種のセンシングデバイスで日本の主要エリアを仔細にカバーするIoTインフラを構築することで、2020年日本を世界最先端の環境知能都市にすることを目指すとしている。