SIMカードの通信プロファイル(携帯電話事業者、電話番号、契約内容などの情報)を遠隔から書き換えられる環境(※2)を香港のモバイル通信基盤上に構築し、IoTにおける活用やコンシューマー(一般消費者)の利用を想定した実証実験を、日本および香港で行う。
国際的な業界団体GSMA(※3)の規格に準拠したeSIMの実証実験は、日本のMVNOとして初の試み。
※1:embedded SIMの略。遠隔で通信プロファイルを書換えすることができるSIMのこと。
※2:いわゆる遠隔SIMプロビジョニング(RSP:Remote SIM Provisioning)が行える環境。
※3:携帯通信事業者の業界団体「GSM(Global System for Mobile Communications) Association」の略称で、モバイル通信事業の世界的な業界団体。
現在一般的に使われているSIMカードは、あらかじめ通信プロファイルが設定されており、出荷後に内容を書き換えることはできない。しかしeSIMは、SIMカードを挿し替えることなく、遠隔から最適な通信プロファイルを設定できるため、例えばビジネスに以下のようなメリットをもたらす。
・海外において、現地通信事業者の安価な回線を利用することにより通信コストを最適化
・製品にあらかじめeSIMを組み込むことで、出荷する国や地域、用途によらず製品仕様を共通にすることができ、在庫管理の効率化が可能
・海外において、ローミングが禁止されている場合でも現地通信事業者と契約して通信することが可能
eSIMに関しては現在GSMAにて「M2Mモデル」「コンシューマーモデル」の2つのモデルの標準化が進められている。NTT Comは、これらのモデルが実用化段階にあることを踏まえ、いち早く実証実験を開始する。