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ビクトレックス社が米Tri-Mack社と合弁会社「TxVAeroComposites」を設立

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ビクトレックス社(本社:英国ソーントン・クリーブリーズ)は、Tri-Mack Plastics Manufacturing Corporation(本社:米国ロードアイランド 以下、Tri-Mack社)と、それぞれの強みであるポリケトン素材技術と航空宇宙産業において長期実績のある熱可塑性コンポジット技術を統合した新規合弁会社「TxV Aero Composites(以下、TxV社)」を設立したことを2017年2月8日(水)の現地時間午前11時に発表した。

両社が共同で開発してきた革新的な部品製造プロセスの普及を加速させるべく設立されたTxV社は、航空機用PAEK(ポリアリルエーテルケトン *)コンポジット品のコンセプト開発から商品化までを一貫して扱うトータル・ソリューション・プロバイダーとなります。投資規模は数百万ドルで、米国に新しい製造拠点が設置されることになる。
* PEEK, PEK, PEKKなど芳香族ポリエーテルケトンの総称

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以下ビクトッレクス社より引用

■ビクトレックス社CEOのデビッド・ハメルのコメント

「TxV社の設立は、航空宇宙産業のお客様に、軽量化、コスト削減およびサイクルタイム短縮を実現する当社独自の革新的ソリューションをより早くお届けできる体制が整ったことを意味しています。当社はPAEKの市場創造を常にリードしており、今回の投資もお客様と共に大きく成長できるチャンスになると信じています。当社の高耐荷重ブラケット部品の開発プログラムは、ビクトレックスがPEEKをはじめとする素材の供給だけでなく、未開拓のニーズを満たす新しい製品形態や構成部品を開発し、それを提供するための新しいサプライチェーンを構築できることを証明する良い例です。」

■素材技術と製造技術を統合したTxV社

TxV社の特徴は、世界トップクラスの素材技術と航空機部品の開発および製造におけるスキルがひとつになったことで、お客様の課題に業界屈指のスピード感をもって集中的に取り組むことができる体制にあります。ラミネート、ハイブリッド成形に適したプリプレグからオーバーモールド成形によるコンポジット部品など、あらゆるPAEKコンポジット品をより早く提供することができるようになります。コンポジット部品は従来の金属部品に対して最大60%の軽量化を実現できますが、製造時間に課題がありました。TxV社独自の連続製造工程は、熱硬化では数時間かかっていた製造時間を分単位にまで短縮することができます。この連続製造を可能にしているのが、低融点PAEKをベースにしたVICTREX AE(TM) 250 Compositesです。この革新的なコンポジットは強度、射出成型ならではの設計自由度、およびVICTREX(TM) PEEKの樹脂性能が高次元で統合されています。
Tri-Mack社は長きにわたってビクトレックス社の実績あるパートナーであり、航空宇宙産業向けの複雑形状部品の開発と製造で高い評価を得ています。TxV社は、ポリケトンコンポジットに特化した研究・製造拠点を2017年末までに米国に設置を予定しています。

■航空機の需要増に応える高い製造効率

Tri-Mack社のウィル・ケイン社長は次のように述べています。「民間航空機市場では今後20年間で新たに35,000機の需要が見込まれています。この需要に応えるために航空機産業に携わる各社は、軽量でよりコスト競争力のあるソリューションとして熱可塑性のコンポジットに注目しています。TxV社は、PAEKコンポジットの豊富な成形ノウハウと最先端の自動製造ラインの導入によって、常に業界の課題である軽量化とコスト効率向上を追求できると考えています。」

民間航空機の内部にはコックピットから尾翼まで、数千のブラケットおよび類似の構成部品が使用されています。このような航空機部品は、切削加工された金属部品や熱硬化材でつくられている場合多大なコストがかかる上に重量増にもつながります。VICTREX PAEKベースのコンポジット部品は、これら従来品より製造コストが抑えられ、ステンレススチールやチタンと比較して大幅な軽量化を実現するとともに、強度、剛性、疲労などの機械的特性において同等以上の性能を備えています。

TxV社によるサンプル品は、2017年3月14日(火)~16日(木)にフランス・パリで開催されるコンポジット見本市 JEC Composite World のビクトレックス・ブース(ホール5A, G12)にて展示されます。