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新素材LIMEX開発のTBM、新たに生分解性LIMEXを検討開始

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石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの 代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取 締役:山﨑敦義)は、新たに生分解性LIMEXを検討開始した事を発表した。

現在、使い捨てプラスチックレジ袋を禁止する国が増え、石油由来のプラスチック製使い捨て容器や食器の使用が禁止されるなど、プラスチックを巡る法規制が各国で強化されている。
また今年に入り、海洋のマイクロプラ スチック問題を起点に欧州委員会は、2030年までに、使い捨てのプラスチック包装を域内で無くし、すべてを再利用または素材としてリサイクルすることを目指す目標を打ち出した。このような背景から欧州を中心にグロ ーバルで生分解性素材に対して、またプラスチックの代替素材のニーズが高まっている。

TBMは、石灰石を主成分とした新素材LIMEX を生産する第1号プラントを完成した後、LIMEX 製品の実用化に 向けて大手事業会社とのパートナーシップを強化してきた。現在のLIMEXは、石灰石を主原料に一部のポリオレフィン樹脂から構成されており、昨今の環境素材へのニーズを好機と捉え、またマイクロプラスチック問題に貢献すべく、ポリオレフィン樹脂を100%バイオ由来、かつ100%生分解性の素材に置きかえた生分解性LIMEX (使い捨ての容器や食器など)の検討を開始した。

なお、今年の5月23日に「European Business Summit」 と共同で開催される「Brussels SDG Summit2018(主催:CSR ヨーロッパ)※1」にて生分解性 LIMEX のサンプ ル※2 を紹介する。

※1 Brussels SDG Summit 2018
CSR に関連した欧州及びその他の国のビジネスリーダーが 300 名以上参加し、国連が採択した持続可能な開発目標 (SDGs)のヨーロッパにおける意義、役割が議論されるカンファレンス
※2 今回のサンプルについては、凸版印刷株式会社が協力している。

LIMEXとは

・ LIMEXは炭酸カルシウムを 50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料であり、日本発の新素材。
・ 2013年、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。
・ 2014年、国内特許を取得。現在、現在、日中米欧を含む20か国以上で登録済。
・ 2015年、宮城県白石市に年産6,000トンのLIMEXを製造する第一工場を建設。
・ 2016年、米国シリコンバレーの「Plug and Play」で初の 『世の中に最も社会的影響を与える企業ソーシャル インパクトアワード』を受賞
・ 2017年、「第7回日米イノベーションアワード」において『イノベーション・ショーケース』を受賞

紙の代替として

・ 通常、普通紙1トン生産する場合、樹木を約20本、水を約100トン使うが、LIMEX は原料に木や水を使用せず、石灰石0.6~0.8トンとポリオレフィン約0.2~0.4トンからLIMEXの紙代替製品(LIMEX シート)1トンを生産可能。
※国内の製紙業界においては、単に伐採するだけでなく海外で植林活動を実施。
※使用済みのLIMEXの紙代替製品を廃棄する場合は可燃ごみ扱い。(古紙回収に出さない)

プラスチックの代替として

・ 従来のプラスチックの原料は石油由来樹脂100%であるが、LIMEXでは主原料が石灰石であり、石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。
・ 単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する。
・ LIMEX の印刷物等のリサイクル材から、LIMEX 製のプラスチック成型品(LIMEX ペレットを加工)を作れ、環境負荷軽減に貢献できる。

資源としての石灰石の埋蔵量

・ 日本でも 100%自給自足できる資源。世界各地の埋蔵量も豊富で、ほぼ無尽蔵。