1. プロジェクトの目的カンボジアは、アジアでも屈指の経済成長を遂げており、豊富な若年労働力の存在等を理由に、アジアの生産拠点として、海外企業から高い注目を集めており、今後も更に成長していくことが期待される。一方、経済発展に必要不可欠な電力に関しては、乾季に伴う水力発電所の発電量低下等が原因で、従来から電力不足に悩まされており、今後、その状況は深刻化を増してくると予想される。現在は、タイ、ベトナム等の近隣国からの電力輸入に頼っているが、それでも十分な電力を賄う事が出来ず、計画停電を余儀なくされている。本プロジェクトは、大規模な貯水量を有する水力発電プロジェクトであり、一年を通じて発電が可能であることから、同国の電気の安定供給に大きな役割を果たすことが期待されている。また、カンボジア政府からの期待も大きく、今後の経済発展に大変重要な発電プロジェクトと位置付けられている。2.同社の参画理由同社は、再生可能エネルギーのリーディングカンパニーとして、日本の低炭素社会実現に向けて、燃料調達から発電、小売まで一貫した電力事業を行っており、国内と同様、海外においても低炭素化の実現に積極的に取り組んでいくこととしている。同プロジェクトは、当社のこれまで培ってきた発電事業の開発、運転保守、及び燃料調達の海外での知見を活かし、初の水力発電事業、海外発電事業へ参画するものであり、当社は、新たな事業分野の開拓への第一歩と位置付けている。本プロジェクトへの参画により、カンボジアのエネルギー問題の解決に寄与するとともに、同国の低炭素化社会実現に貢献していきたいと考えている。なお、同社は、創業以来「挑む文化」を礎に、PKS(パーム椰子殻)によるバイオマス発電所等、新たな事業分野を開拓してきており、現在は、FIT制度に依存しない日本初の大型バイオマス発電所の実現に取り組んでいる。3. 同プロジェクトの概要同プロジェクトは、カンボジアのポーサット州において、出力8万kW規模の水力発電所を新設するプロジェクトです。既に、SPHP-Singapore社の100%子会社である、SPHP-Cambodia社は、発電所建設の事業権、並びに、売電についてはカンボジア電力公社への固定価格による電力引取について、カンボジア政府より保証を得ている。なお、運転開始の35年後には、同発電所をカンボジア電力公社に譲渡する計画である。このSPHP-Singapore社に対して、Asia energy、ISDN energyとともに新たに出資し、SPHP-Cambodia社を事業主体とした水力発電所の建設、運営に参画する。4.出資者構成及び事業スキーム図5.資金調達案借入:出資=70%(USD162百万):30%(USD69百万)6.建設予定地及び完成予想図