特に深刻なのが、中小企業だ。中小企業庁の調べによると、2013年以降、すべての業種で人材不足の状態に陥っている。企業規模間の転職動向を見ても、近年は中小企業から大企業への転職者数が大きく増加。新規採用が困難なゆえに、大企業への人材流出という二重苦に直面している。まさに、人材をどう確保・維持していくかが、経営の行方を左右する重要な課題といえる。
こうしたなか、中小企業やベンチャー企業にとって朗報となる新たなサービスが2018年2月にスタートした。それが、株式会社キャスターのオンライン採用支援サービス『Caster Recruiting(キャスターリクルーティング)』だ。
同社の取締役COO を務める石倉秀明氏は、『Caster Recruiting』の特徴をこう語る。
「『Caster Recruiting』は、経験豊富な採用のプロフェッショナルが、顧客企業の中途採用業務をオンラインで支援するというサービスです。この分野は従来、ほとんどが大手企業向け。しかも、面接調整だけにフォーカスされていました。私たちは採用戦略の立案、プランニングから求人媒体の運用、ダイレクトリクルーティング、エージェント対応、各オペレーションの代行に至るまで、人事担当者様が担う業務をすべて代行します。その分、企業は面接選考や内定後のフォローに専念できるというわけです。お申込みから最短中2日で運用が開始されるというスピード感も大きな特徴といえるでしょう」
『Caster Recruiting』の最大のメリットは、採用のプロが採用専任としてやるべきことを1から10まできちんとやり抜いてくれることだ。中小企業やベンチャー企業は、どうしても社員数が少ないので「採用担当がいない」とか、「他の業務を兼ねていたりするのでなかなか時間が避けない」「採用の経験や知識もないので、何から着手したら良いのか分からない」といった声を良く耳にする。『Caster Recruiting』は、そうした悩みを一気に解決してくれるというわけだ。
「現在、『Caster Recruiting』のスタッフは10名いますが、誰が担当してもサービスの品質が担保されるようにしているので、安心してご利用いただけます。採用媒体を運用する際のルールやレギュレーションもかなり細かいレベルまで、社内で統一化しています」
料金プランは、三つに分かれている。採用に関する一連の業務を担うLiteプランが月額30万円、採用広報がプラスされたRegularプランが月額45万円(いずれも税別)、さらには短期間で大量採用したい企業向けとなるCustomizeプラン(料金別途提出)という構成だ。
『Caster Recruiting』の母体となるオンライン採用支援サービスは、2016年3月に石倉氏が立ち上げた株式会社働き方ファームで開発されたものだ。中小企業・ベンチャー企業を中心にユーザーが徐々に広がりつつあるこのタイミングで、キャスターのメニューとして展開することになったという。石倉氏は、キャスターの取締役COOでもあり、事業スピードをさらに加速させていくためには、運営体制をシフトする必要があると判断したのかもしれない。
「もともと働き方ファームは、個人がそれぞれの働き方を選べるようにしたいと思って設立した会社です。働く場所の制約を取り払い、新しいルールの市場を作ろうとチャレンジを続けてきました。その想いは、『Caster Recruiting』にも反映・継承されています」
実際、『Caster Recruiting』のスタッフは皆、渋谷にあるキャスターの本社で仕事をしているわけではない。リモートワークを活用して、日本全国どこにいても業務ができる体制を構築している。その点も、ユニークであるといえよう。
『Caster Recruiting』を通じて、今後キャスターは何を実現していきたいのか。石倉氏は、こう語った。
「中小企業やベンチャー企業は、優秀な人材を採用できるかできないかで、業績が大きく変わってきます。それだけに、『キャスターに頼んだら安心』『必ず何とかしてくれる』と思っていただけるようなサービスを提供していきたいですね。そのためにも、キャスターが長らく運営してきたオンラインアシスタントサービス『CasterBiz(キャスタービズ)』のノウハウ活用や、技術的なことにも積極的にトライしたいと思っています」
今や、どの企業も採用に対して本気で取り組まなければ勝ち残っていけない時代に来ている。採用のプロが、担当者に代わってその使命にコミットし、市場からダイレクトに人的リソースを調達してくれる『Caster Recruiting』。今後、多くの企業が着目する一大サービスへとブレイクしていく予感がする。
株式会社キャスター 取締役 COO
株式会社働き方ファーム 代表取締役 石倉秀明氏