オンコリスバイオファーマ、鹿大とB型肝炎ウイルス共同研究

創薬ベンチャーのオンコリスバイオファーマ（株）（本社：東京都港区、代表：浦田泰生）は鹿児島大学と新たにB 型肝炎ウイルス（HBV）に対する新規感染症治療薬創製に関する共同研究をすると発表した。

現在、日本国内では約 140 万人がHBV に感染していると推定され、数千億円規模のHBV 関連予算が一般会計及び特別会計を合計すると計上されている。

また、アジアを中心に感染者は増加し、世界保健機構（WHO）によると、全世界で2 億4000 万人がHBV に感染していると推定されている。
HBV 感染症は、慢性肝炎・肝硬変を経て肝臓がんへ進行します。現在、核酸アナログ製剤及びインターフェロンによる治療が主流だが、十分にHBV の増殖を抑制できず、その再発が繰り返されて肝臓がんを発症する可能性がある。また、その治療薬を長期服用することが必要であるために、腎毒性やうつ症状等の重篤な副作用が問題となっている。そのため、新規メカニズムによるHBV 感染症治療薬が世界中で求められている。

両社は独自に入手した新規化合物について、抗 HBV 評価システムで用いて候補化合物を選び出すとともに、さらに高活性の化合物を絞り込むことで、HBV 感染症治療薬の開発を進める。オンコリスバイオファーマ（株）はがん領域の医薬品開発において、肝臓がんの大半を占める肝細胞がんを対象に腫瘍溶解ウイルスOBP-301（テロメライシン）の開発を行っている。肝細胞がん治療薬テロメライシンの開発と並行して、肝臓がんの病原であるHBV 感染症の治療薬を開発することで、十分な治療法が確立されていない肝細胞がんの治療並びに肝臓がんの発生抑制に貢献する。