大阪大学の研究成果を基に、創薬支援事業およびがん治療創薬事業を展開Beyond Frontierは創薬支援技術およびがん治療薬の研究開発を行う大阪大学発のバイオベンチャーである。同社は大阪大学薬学研究科の辻川和丈教授の研究成果を実用化するため、2019年5月に設立された。上記の創薬支援技術は、今後の新規抗がん剤の評価に必須となる、患者腫瘍組織移植マウスモデル(PDX)および患者腫瘍組織から直接樹立された初代培養細胞(PDC)に関する製造/特徴情報の付与技術になる。PDX/PDCは従来の長期継代された細胞株を用いた評価と比較して、より臨床に近い評価ができることが最大の特徴。同社は本技術を活用した創薬支援事業を展開することに加えて、自社開発のがん治療創薬にも適用することで、臨床試験の成功確率アップという事業シナジーを見込んでると言う。また、がん治療薬の開発では、創業初期から複数のパイプラインを有していることが強みである。中でも、先行して開発を進めている膀胱がん治療薬(無機化合物)については、適用する無機化合物の特徴により、既存薬と比較して有効性または安全性で上回ることが期待されている。加えて、新しいターゲットであるエピトランスクリプトミクス創薬の研究開発を推進し、革新的ながん治療薬の創出を目指している。研究開発の加速と組織体制の強化Beyond Frontierは、今回の資金調達により創薬支援事業およびがん治療創薬事業に関する研究開発を加速させるともに、採用拡大による組織体制の強化を行う予定。OUVCとしては、取締役を派遣することにより、ハンズオンで経営支援を行うと言う。