保護者の学校教育に対するニーズとして、コミュニケーション能力の向上や問題解決能力の向上が挙げられている。子どもには安定した就職をしてほしいと願う一方で、世界と渡りあえる力と素養を身につけてほしいというニーズから、この度ビジネスシーンでも利用されているコミュニケーションツールTalknoteの導入を決定した。
【Talknote導入の理由】
昨今プライベートのSNSを利用して、未成年がいじめや犯罪といったトラブルに巻き込まれる事件が増えつつある。プライべートのSNSと異なり、教員の管理下で会話を展開でき、交流時間を限定するなどの設定ができるため、リスクの軽減が期待できる。また、ビジネス上のコミュニケーションに活用されているTalknoteを生徒が日頃から利用することで、社会人同様に適切なツールの扱いが可能となる。同時に、生徒のコミュニケーション能力の向上を図ることができると考えている。
【実際の利用状況】
テスト導入の結果、教員間の情報共有化ツールとして利用しているほか、教員から生徒へホームルームでの連絡事項の共有や学生生活での悩み相談など、従来にはない双方向性の高いコミュニケーションが実現している。また、 今回は早稲田大学との遠隔授業時にも利用されることで、通常の先生と生徒間のコミュニケーションのほか、大学生と生徒間のコミュニケーションも円滑に進んでいる。
【期待される効果】
1.ペーパーレス化と情報共有の徹底
従来、教員間の情報共有やホームルームでの共有事項は「紙」だったが、Talknote上で完結することでペーパーレス化を促進できるとともに、Talknoteがもつ既読・未読機能で情報共有の徹底が可能となる。
2.コミュニケーションの活性化とコミュニケーション能力の向上
学校外にいる場合でも教員への質問・相談などが気軽にできるようになるため、生徒同士、教員と生徒、授業で関わる大学生と生徒などの様々な世代との円滑なコミュニケーションを実現することで適切なコミュニケーション能力を身につけられ、グローバル人材育成に寄与していくと考えている。
3.業務の時短化により、生徒とのコミュニケーション時間の確保が実現
教員同士で今まで直接会ってやりとりをしなければ解決しなかったことが会わなくともTalknote上で完結でき、 業務の時短化が図られる。それにより、今まで以上に生徒と向き合う時間が増加する。
4.ICT教育ができる教員の育成
ICT教育を推進する上で、ICTを駆使できる教員の育成は必要不可欠だと考えており、実践的にICTを教員自身が利用することでICT教員の育成を図ることができる。
今後は、卒業後の生徒ともTalknoteを通じて連絡がとれる環境の整備を予定しており、大学以降のフォローまで視野に入れている。
【公開授業に関して】
■会 場: 聖徳学園中学・高等学校
(東京都武蔵野境南町2-11-8 JR中央線武蔵境駅南口徒歩3分)
■開催日: 平成28年6月22日(水)
13:00~13:20 概要説明
13:20~14:10 授業公開(中学2年1組)
14:10~14:30 質疑応答
■授業者 山名和樹 (本校スクールカウンセラー・グローバル教育センター長)
経歴:米国ウエストヴァージニア州マーシャル大学心理学部一般心理学科卒業、同大学大学院カウンセリング学部カウンセリング学科スクールカウンセリング専攻修了 カウンセリング学修士、サウスカロライナ州サルーダ小学校スクールカウンセラー、埼玉県さわやか相談員
資格:臨床心理士、NLPプラクティショナー
■授業内容
早稲田大学大学院教職研究科武沢護教授研究室と連携し、「Talknote」を活用した授業を中学2年1組にて展開します。本授業により下記の効果を期待しています。
・クラスの枠を越え、多様な価値観を知る機会をSNSを通して生徒達に提供し、自身の学校生活や生き方を見つめなおすことが出来るようになる。
・ルーブリックを導入し、効果的な発表方法を学ばせる機会とする。
・SNS、グループワーク、発表という3つの違ったコミュニケーションを体験させ、それぞれの形が持つ長所と短所を理解させる。
本授業を通し「SNS、外部機関との連携方法に関する反転授業のモデルケースを作り、新たな学びの形を提唱する。」を最終的な学校目標とします。