海外のICOをご紹介!お店のクーポンを管理し売買・使用できる『GATcoin(ガットコイン)』

今回ご紹介する海外ICOは、多種多様なクーポンやポイント、商品券を一つのプラットフォームで管理でき、かつ異なる券同士を売買したり、どの店でもスマホ一つで使用できるようにする『GATcoin』だ。
利便性の低いクーポン業界に革命を
GATcoinは、元世界銀行弁護士の Simon Cheong氏によって発案されたプロジェクトで、氏は大きな可能性を秘めるブロックチェーンという技術を一部のITリテラシーの高い人たちだけでなく、広く一般の人たちにも使ってもらいたいと考えた中、クーポンをブロックチェーンで管理するというGATcoinを思いついた。
ユーザーと企業双方がクーポンを使いこなせていない
GATcoinはクーポン業界を大きく変えようとしている。現在クーポンと言えば、様々な店舗の商品券やポイントカードが大量に財布に保管され、その管理は大変な手間であると言うほかがなく、またアプリやオンラインのポイントシステムにしてもそれぞれのサービスで別々に管理されるため、ユーザーはそれを用いるのに一手間も二手間もかかってしまう。
これはユーザーにとって不便なだけでなく、せっかくリソースを割いて作った自社の商品券やポイントシステムがユーザーに使われず、企業や店舗にとっても経営資源の無駄使いになってしまいかねないのだ。
そんな中GATcoinは、GATウォレットで商品券やポイントを一括管理し、GAT取引所でそれらを売買でき、GATマーケットプレイスで商品を予約できるという、これまで大変不便だったポイントを全て一括管理・使用できるGATシステムを提供しようとしている。
以下のURLからデモ版を体験可能
https://projects.invisionapp.com/share/2DEZ4AGV7#/screens/269451749_Splash
GATシステムはブロックチェーンを使用する
GATシステムはブロックチェーンを使用しており、つまり各ポイントやクーポンはトークンとしてブロックチェーン上で管理され、ユーザーの保持記録が消えたり改ざんされる心配はない。
企業や店舗側にとっても、自社でポイントシステムを管理する手間と経費から解放され、容易にGATシステム上で自社のポイントを発行することができる。
まさに、ユーザーと企業双方にとってWin-WInなソリューションだ。
購買活動における意思決定はクーポンが第一位
GATcoinのホワイトペーパーによると、人々が購買活動において意思決定を下す際最も影響を与える要素がクーポンだそうだ(アメリカでの調査)。つまりGATシステムでクーポンを効率的に管理できれば、企業にとっては潜在的な顧客をより多く獲得することができる。
そのため開発チームは、ユーザーがGATウォレットを一日に一回は見るよう魅力的な設計に努めているという。実際、ユーザーがGATウォレットを見たくなる理由は複数ある。まず、保有するクーポンやポイントは売買が可能なため、自分のもつポイントにどのくらいの価値があるのか、おのずと見たくなるだろう。
また、GATシステムでは時折ポイントやクーポンがプレゼントされることもある。こうした様々な要素から、ユーザーはGATウォレットを見る頻度が増えるということだ。見る頻度が増えるということは、企業にとってはそれだけ自社のことを考えてもらえる、つまり宣伝に繋がるということを意味する。
『A-Drop機能』により戦略的なポイント付与が可能
GATシステムのもう一つ特筆すべき点は、A-Drop機能だろう。この技術はスマホのGATウォレットのデータを利用し、ユーザーのこれまでの購買歴や年齢、性別、住んでいる地域を分析し、企業や店舗がターゲットとしたい顧客にダイレクトにポイントやクーポンをプレゼントするというものだ。それだけでなく、スマホのGPS機能を利用し、例えば店舗の前を道をエリアとして指定すれば、店の前を歩く人たちにだけその場でクーポンやポイントをプレゼントすることができる。この画期的な技術により、これまで店を素通りしていた潜在的な顧客に店内へ足を運んでもらうことが可能だ。(A-Drop機能は現在、米国と中国で特許出願中)


日本で最初にサービスを開始する
GATシステムは世界中に展開する予定となっているが、なんと最初にサービスを開始する国は日本らしい。
GATシステムは【SK planet Japan 】が提供する【COTOCO】というオンラインショッピングサイトと提携しており、同サイトに登録されている21のブランドと3万を超える店舗のクーポンやポイントがGATシステムで使用可能となる。
日本でのサービス開始と同時にアジア各国でもサービスを開始し、2018年6月にベータ版が公開、同年10月に正式版がローンチされる予定だ。
信頼できる開発チーム
プロジェクトの内容がおもしろいのは分かったが、開発チームの信頼度はどうだろうか。
なんとGATcoinは、CEO、マーケティング責任者、プログラム責任者、デザイン責任者という幹部がみな同じ高校出身という、これ以上ない結束感で構成されたチームだ。しかもそれぞれが各方面のプロフェッショナルで、CEOは元世界銀行弁護士、デザイン責任者は元WallMartのエンジニアだ。
ハードキャップに達したらICOを行わない!?
昨今ICOと言えば簡単に巨額の金が集まる方法として、とにかく多く集めようとするチームが多い。しかしGATcoinは180度異なり、必要な分だけ集めるという原則を徹底している。
つまり、現在プレセールの段階で既に11,261ETH集まっているが、全体のハードキャップ(調達上限額)はUS$14.5m(約16億円)に設定されている。プレセールはETHで集めているので、ETHの時価が$1,300~$1,400(約15万円)を超えたら、自動的にハードキャップに達してしまうのだ。この場合、なんとGATcoinはICOを取りやめるという。
さらに多くの資金を集めるチャンスなのに、集めすぎることになるからとICOを取りやめるというのは、筆者もこれまで聞いたことがない。しかしこの姿勢はGATcoinの経営体制に絶大な信頼を呼ぶことだろう。
もっとも、購入希望者からすればETHの値段が上がらないことを祈るばかりである。
(1月14日現在、1ETH=17万円台で推移しているが、1週間の平均値をもって判断されるため、まだICO取りやめには至っていない。しかし、危ない水準だ)
ICOスケジュール
もし予定通りICOが実施される場合は、1月14日から開始となり、最初の1週間は5%のボーナスが付与される。


まとめ
以上がGATcoinの簡単な紹介となるが、いかがだっただろうか。誠実な運営チームと分かりやすく実用性のあるプロジェクト、そして多すぎない調達額、まさに三拍子揃った内容だと言えそうだ。
あとは、クーポンやポイントを最も使うであろう女性やご老人がきちんとアプリを使いこなせるよう、徹底的にユーザーフレンドリーなアプリ設計を期待するとともに、店舗側も導入しやすいシステム作りをお願いしたい。(基本的にはシステムの利用は完全に無料で、レジのバーコードやタブレット端末で利用可能とのこと)
GATcoinの公式ウェブサイト:https://www.gatcoin.io/?lang=ja
【追記】(2017年1月15日)ICOは中止に!
ETHの価格が$1,300〜$1,400を超えている状況を受け、ハードキャップ(調達上限額)であるUS$14.5m(約16億円)を継続的に超える状態が確認されたため、1月14日から開始予定だったGATcoinのICOは中止が発表された!これは、既にプレセールで集まった11,261ETHだけでハードキャップを上回ってしまう事態に陥ったためだ。
https://www.gatcoin.io/token-sale-has-closed/
ICOに参加することを考えていた投資家にとっては残念な結果であるが、ドル換算で調達上限額を厳格に守るという姿勢は高く評価されるだろう。(多くのICOがドル換算ではなくETHの枚数で上限額を設定しているため、ドルで換算した場合に集めすぎているという事が多い)
いずれにせよ、GATcoinにとっては目標額を無事に達成することができ、プロジェクトとしては好調な滑り出しだ。今後の進展を見守りたい。
