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サイバーエージェントとエイベックス、音楽聴き放題サービス開始

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サイバーエージェントとエイベックス・グループ・ホールディングスが共同で始めた定額音楽配信サービス「AWA」が本格的に始動した。6月30日からテレビCMを流し始めた。同種のサービスは米アップルやLINEなども今年相次いで参入しており、にわかに戦国時代を迎えている。CMで一般の認知度をいち早く高め、音楽聴き放題の市場でシェアを確保する狙いだ。

 

前日の6月29日、東京・台場のホテルで「CM発表会」を開き、サイバーの藤田晋社長とエイベックスの松浦勝人社長がそろって、CMの狙いをはじめとする事業戦略を発表した。

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発表会で握手するサイバーエージェントの藤田晋社長(左)とエイベックス・グループ・ホールディングスの松浦勝人社長

AWAには、6月10日時点で、国内外23社の音楽レーベルが参加している。聴ける曲は2015年末までに500万曲にするという。利用料は月額360円のライトプランと月額1080円のプレミアムプランを用意している。利用開始から3カ月間は無料だ。

 

お気に入りの曲をまとめたプレイリストを作成・公開することができる。著名人のプレイリストを利用することも可能だ。

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発表会には、小室哲哉氏(左から2人目)著名な音楽関係者が参加した。

滑り出しは好調だという。アプリのダウンロード数は、100万ダウンロードを突破し、1日あたりの楽曲視聴回数は500万回以上に達している。

 

30日には、米アップルが同様のサービス「Apple Music」を日本で開始した。松浦社長は「(アップルの参入は)いずれ来るとは考えていたが、思っていたより早かった」とやや焦りも感じているようだった。強力なライバルの登場に対応するため、CM開始を急いだ。

 

CMの内容や雰囲気を始め、アプリの使い勝手やAWAというネーミングなど意識したのは「日本のサービスだとは分からない無国籍な感じ」(藤田社長)だという。狙いは何か。

 

サイバーエージェントは今年4月、12年ぶりにロゴを変更した。その目的について、藤田氏は「世界水準で戦えるクリエイティブな会社である、という宣言を対外的に明示したかったから」だと説明する。「音楽には国境がない」とよく語られる。藤田社長の世界戦略を担うのがAWAなのかもしれない。

 

写真・執筆:高杉明