発表会で握手するサイバーエージェントの藤田晋社長(左)とエイベックス・グループ・ホールディングスの松浦勝人社長
AWAには、6月10日時点で、国内外23社の音楽レーベルが参加している。聴ける曲は2015年末までに500万曲にするという。利用料は月額360円のライトプランと月額1080円のプレミアムプランを用意している。利用開始から3カ月間は無料だ。
お気に入りの曲をまとめたプレイリストを作成・公開することができる。著名人のプレイリストを利用することも可能だ。
滑り出しは好調だという。アプリのダウンロード数は、100万ダウンロードを突破し、1日あたりの楽曲視聴回数は500万回以上に達している。
30日には、米アップルが同様のサービス「Apple Music」を日本で開始した。松浦社長は「(アップルの参入は)いずれ来るとは考えていたが、思っていたより早かった」とやや焦りも感じているようだった。強力なライバルの登場に対応するため、CM開始を急いだ。
CMの内容や雰囲気を始め、アプリの使い勝手やAWAというネーミングなど意識したのは「日本のサービスだとは分からない無国籍な感じ」(藤田社長)だという。狙いは何か。
サイバーエージェントは今年4月、12年ぶりにロゴを変更した。その目的について、藤田氏は「世界水準で戦えるクリエイティブな会社である、という宣言を対外的に明示したかったから」だと説明する。「音楽には国境がない」とよく語られる。藤田社長の世界戦略を担うのがAWAなのかもしれない。
写真・執筆:高杉明